今日も曇りだが、たいして気温は高くなく、まあ過ごしやすい日。昨日飲んだワインが少々残ったか、どんよりとした目覚め。午前中にアパートの管理事務所に契約の更新の話をしに行くが、担当の女性はバケーションで１２日まで帰ってこないらしい。皆、夏休みなんだなあ。

午後、ちょっと用事で外出。バッシーとゴルフの交差点で信号待ちをしていると、となりのピックアップトラックを運転するアメリカ人のあんちゃんは、なんとビールを飲んでやがる。いくら日曜とは言え、こんなのを見たのは初めて。カリフォルニアでもイリノイでも、車内の鍵のかからない場所にアルコール飲料を置いているだけで法律違反だから（必ず後部トランクに積まなければならない）飲んでちゃあ完全な違反だ。どうもかなり田舎のほうから来たような感じだなあ。

さて、ご近所にお住まいの、駐在員のかたのホームページからリンクを貼って頂きました。どうもありがとうございます。みさことかいるのページがそれ。アメリカ生活の実像をお知りになりたい方は、あっちにふらふら、こっちにふらふらの私の日記より、このホームページのほうがずっとまとまっていて面白い。

で、このページに、アメリカのまずいものＴＯＰ１０というのがある。これが実にうなずける内容。ルートビアーなんて、アメリカ人に言わせると郷愁をさそう味だそうあが、１回飲んではみたものの、なんかこう吐き出したいな、と言う気にさせる飲み物。ターキー（七面鳥）も、非常にポピュラーなアメリカの食材だが、身はパサパサして、どうもおいしいと思った事がない。

七面鳥は、レストランで出てくるような料理の材料ではなくて、どちらかというとアメリカの家庭料理。サンクス・ギビング（感謝祭：１１月第４木曜）にはどこの家庭でも大きなターキーをオーブンで焼いて、（あるいは焼いたのを買ってきて）家族で食卓を囲み、一年の収穫を祝うわけですなあ。

この七面鳥は、体が大きい割に、育つのが非常に早い為、ニューイングランドに植民した昔のピューリタンの食生活に非常な貢献があったそうで、一時はアメリカの国鳥にしようという話にもなったらしい。アメリカン・イーグルに変わって七面鳥がアメリカのシンボルになってたら、ずいぶんイメージが違ったろうなあ（笑）。＜２５セント硬貨の裏に七面鳥が！

で、サンクス・ギビングは、ニューイングランドに上陸した最初のピューリタンがなんとか１年を生き延びて、前年にその生活を助けてくれた現地のインディアンを招待して祝宴をひらいたという故事から、人をもてなす習慣の日でもあり、アメリカあちこちに散らばった家族がリユニオンの為に実家に帰ってくる季節でもあると。

うちの西海岸の事務所でも、１１月にサンクス・ギビング・ポトラックがあった。ポトラックとは参加者がそれぞれに料理を持ちよって開くパーティーの事。昼飯時に会社の会議室に、それぞれが持ってきた料理と大きな七面鳥のローストを置いて、皆で立食のパーティーをやる。

で、西海岸にいた時、そろそろ人の集まりかけたポトラックの会議室に入ってゆくと、私に七面鳥を切り分けろ、と、とんでもない事を女性陣が頼む。こういうのは男性がやる習慣なんだと言います。とんでもない、そんな事はやった事がないので駄目だというと、皆がっかり。いいから切り分けなよと女性に勧めても、どうもなんだか嫌な様子。そもそも、ローストチキンやローストビーフを一家そろった食卓で、家長の男性が切り分ける習慣は、すでに大部分のアメリカの家庭では絶えて久しいと思うのだが、サンクス・ギビング・ターキーなんかの伝統的な料理になると、突然そういう意識が蘇ってくるらしい（笑）。

で、次に会議室にきた男性は、フィリピン出身で、これもやった事ないからと辞退（笑）。間の悪い事に、アメリカ人の男性社員が全部出払っていて、次々にやってくる男性は、皆、日本人の駐在員。誰も七面鳥を切り分けた事なんてないから、みんな辞退して全滅。も〜本当にしょうがないわね、とアメリカ女性のフラストレーションが溜まってきて、じゃあ誰がやるかと探り合いが始まった（笑）。

ところが、なんたる天佑か、そこへたまたま電話回線の修理に来ていた配線工のオッサンが、おや、ポトラックかい、俺も入れてよ、と顔を出した。いいわよ。だけどこのターキーを切り分けてね、とある女性が頼むと、オッサンは、お安いご用さ、いつも家でやってんだからと大きなナイフとフォークを使ってスイスイと足を外し、胸を切り開いて、肉をスライスにしてゆく。女性陣は大喜び。我々日本人駐在員は、なんか男性としての無能宣告を受けたような気がして、複雑な心境。

日本人はいつも家庭ではどうやってんの、と聞かれたけど、日本ではターキーの丸焼きなんて普通食わないんだよなあ。