なんだか風邪をひいたみたいだし、仕事も日記もお盆モードで(アメリカにはお盆なんかないけど)のんびり行くか。本日も雨。ぐずついた天気。
午前中は会計のマネジャーと打ち合わせ。その後、一緒に働いているアメリカ人のMISマネジャーと昼食に行く。彼は、ニューヨーク生まれのイタリア系だが、菜食主義者(ベジタリアン)。だから行けるところは限られてるのだが、どういう訳かやたら人と一緒に飯を食いに行きたがる。困ったもんである。
彼の一番好きなのはインド料理。たまにはインドもいいんだけど、以前彼とボストンで行われたセミナーに2週間出張した時は、インド料理責めでほとほと嫌になった。でも、チキン・ビンダルーは大好きになったのだけど。
アメリカ人でインド料理が一番好きだってのも本当に珍しい。彼の嗜好を反映して彼の子どもも皆インド料理が大好きで、店に連れて行くと珍しがられてどこでも大歓迎してくれるらしい。そりゃあ、普通アメリカの白人の子どもはインド料理なんて食わないだろう。インド料理屋は、ベジタリアン・メニューが非常に充実しているのが彼のお気に入り。
そう言えば確かに、私がこっちに来て仕事で付き合いのあったインド人は大部分が菜食主義。だいたい皆、宗教上の理由らしいけど、ヒンドゥ教かなんかかな。(ひとりだけ、酒は飲むわ煙草は吸うわ、肉は何でも食うわの罰当たりな(笑)インド人も知ってるけど、本人に言わせると、とても高いカーストの生まれだから、何やってもいいんだそうです<ホンマかいな。)まあ、うちの会社の彼の場合、カトリックだから、ベジタリアンとは言え別に宗教上の理由ではなく、もっぱら健康上の理由だとか。牛乳やチーズ、そして玉子は大丈夫らしい。インド料理でいつも頼んでるのが、ほうれん草とチーズのカレー。で、またこれが、そばで見てると、気持ち悪くなるくらい沢山食べる。まあ体も大きいし、やっぱり野菜じゃカロリーが少ないのだろう。
彼は、中華も大丈夫だけど、化学調味料(アメリカではMSGと略称する)にアレルギーがあるとかで、必ず抜いてくれと注文。アメリカ人にはこの化学調味料を多量に摂取すると頭痛がしたりする人が多いようで、中華料理のメニューをよく見ると、MSG抜きでも調理致しますなんて書いてある事が多い。日本のラーメン屋なんかでもそうだが、中華ってのもやたら化学調味料を使うからね。
こっちのレストランは結構ベジタリアン・メニューを用意してあるところがあり、やはりアメリカ人に結構菜食が浸透している事を伺わせる。もっとも人種のサラダ・ボウル(人種は色々いるけど、結局混ざり合わないので、最近はルツボとは言わず、サラダ・ボウルと言う)だけに、インド人以外にも色々な宗教上の食物規制を持った人が。
食物禁忌で有名なのはユダヤ人。ブタや馬、ウサギ、犬、猫や(まあ犬、猫は日本人だって食わないね)ウロコの無い魚などを食べる事が禁止されている以外にも、牛にしても特定の屠殺方法をしなければいけなかったりする。乳製品と肉を一緒に食べる事が禁じられている為、厳格に戒律を守る人は、コーシャ・ショップと言われるユダヤ人専門の食料品店でしか食料を買わいとか。レストランもユダヤ教の戒律に乗っ取った物だけをだすコーシャ・レストランあり。野球場のファスト・フード店にもコーシャ売店があったような気がしたなあ。飛行機の中の食事もベジタリアン向けがあるのと同様、コーシャ食を選択できるようになってるのがさすがにアメリカ。
最近はシカゴ北西郊外のこのあたりでもイスラム人口が増えてきたと新聞に載ってたけど、勿論イスラム教も基本的にはユダヤ教と同根で、似たような食物禁忌があるらしい。しかし、イスラム専用レストランってのはあんまり見たことないな。ま、あるところにはあるんだろうけど。そうだ、イスラムと言えば、この間、インドネシア駐在からアメリカに転勤した日本人に聞いた話を。
インドネシアは1億8千万人のイスラム教徒がいる世界最大のイスラム国家で、一夫多妻が認められている。勿論2番めの奥さんを貰うのには、最初の奥さんの了解がいるそうだから、彼らに言わせれば問題ないらしい。故スカルノ大統領の夫人になった元銀座ホステス、デビ夫人も何番めかの奥さんだそうだ。
まあ、それは他人の国の事だから文句をつける筋合いでもないのだが、世の中にはこの一夫多妻に憧れてイスラム教徒になろうとする不謹慎な輩もいたりする。ここで一番の問題は、イスラム寺院が発行する「割礼証明書」がないとモスリムにはなれない事。(アメリカの黒人達の間で広まってるブラック・モスリムではここまではやってないと思うがなあ)普通は赤ん坊の時にペニスの包皮を切り取るので、まあ、その時は痛いだろうが、成人した本人達は全然覚えてはいない。
ところが、他教徒で、成人してからイスラムに改宗しようとする男性は、成人割礼を受けねばならない。しかし、病院で麻酔してやってもらえると思ったら大間違いで、イスラム寺院で古式にのっとり(笑)麻酔なし、しかも石のナイフでやらないと証明書は出ないんだそうだ。まあ、この痛みに耐えられる男性はそうはいないらしい。<そりゃそうだろなあ(笑)。一夫多妻への道は遠くそして厳しい、ちう事ですな。。
ところが、話にはまだ続きがあって、実は闇で、この割礼証明書が金で買えるらしい。地獄の沙汰も金次第。さすがのアッラーの神もこれを聞くとお怒りになって天罰を下されるのではないだろうか。まさに人間の欲望には限りがない。