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1997/08/19 ストーンズ、イアン・ギラン、レスポール。元気なオジイ。

ボストンはちょっと曇り模様。でもすっかり秋の気配が漂っているような気がする。後輩にホテルまで迎えに来てもらい、ローガン空港へ。もっと混雑するかと思っていたが、案外スイスイ流れて、予定よりずっと早く到着。出発ロビーでホテルから持ってきたUSA TODAYを読んでいると、昨日のシカゴあたふた日記さんの書かれていた通り、ローリング・ストーンズの全米ツアーのニュースが出ていた。

ミック・ジャガーってもう54才なんだ。彼らも、若い頃は麻薬でヘロヘロだったはずで、キース・リチャーズは、フランスで全身の血液を入れ替える治療を受けたなんて聞いた事があるけど、いまだに元気なのはどういう訳か。確かに老けたけど、普通の50代に比べれば、やっぱり若い。若返りにとんでもない金をつぎ込んでいるのだろうか。フランスなんかには金さえ払えば何でもやってくれる医者がいるらしいから。チャーリー・ワッツが特に老いぼれているのは、やっぱり印税収入の差があるからかな(笑)。

しかも、ツアーの日程を見ると、9月のシカゴを皮切りに来年の2月まで、全米32個所を公演して回る。10月にはなんと11個所でコンサートをやるのだから、若者にとってさえきつい日程だ。チャーリー・ワッツなんて最後まで持つのかな。多分ステージの上からピアノ線で手足を動かして、ドラムを叩いてるように見せるのかもしれない(笑)。こんなきつい日程では、ベースのオリジナルメンバー、ビル・ワイマンがすでに引退したのも肯ける。(しかし、Retire=引退って言葉を使ってたのはなんだか笑えるなあ。もうこれ以上は年に勝てませんって事ですね)

シカゴに到着して、会社へ向かってると、カーラジオから、「今日は元ディープ・パープルのボーカリスト、イアン・ギランの誕生日で、彼は52才になりました。」なんてジョッキーが話してる。なんだか今日は、懐かしい名前によく出くわすな。ま、クラッシック・ロック専門のFM局だから当然か。ハード・ロックの化石。あるいはダイノサウルス(恐竜)とも呼ばれるディープ・パ−プル。いや〜懐かしい。こんな話が出ると言う事は、ロック・ボーカルのネアンデルタール原人、イアン・ギランはまだ生きてるのかあ。<こらこら、勝手に殺すな。

そう言えば去年の冬、ニューヨークに出張した時、連れていってもらったライブ・ハウスで、レスポール・バンドを見たのを思い出した。ジョン・レスポールというのは、ギブソンのレスポールモデルが彼にちなんでつけられた通り、もはや伝説と化したギタリストだが、もう70才をとうに超えてるはず。しかし、いまだカクシャクとして、ショーの時間になると、ヒョコヒョコとジーンズにポロシャツ姿でステージに出てきて、ギターを弾きはじめる。

さすがにリズムは時折ばらけるけど、それもまた枯れた味わいと思えない事もない(笑)。まあ、歌舞伎で往年の名優だったオジイがヨロヨロやるのを楽しむのと同じ感覚でしょうか。しかしご本人は元気一杯で、若い女性が客席に座ってると、ソロの途中でウインクするのを忘れないから、老いてもますます盛んな感じもしますなあ。ご老体でも頑張ってると言うと、例えば日本なら村田英雄、アメリカはレスポール。えらく違う。ははは。

このレスポールのじいさんはこの間CMにも出ていた。髪を長く伸ばした若者がエレクトリック・ギターを弾いているところへ、レスポールが通りかかる。しげしげと若者のプレイを見ているので、若者が、「じいさん、あんたもギター弾くのかい」と尋ねると、レスポールは「昔、ちょっとな」と答える。

じゃあ弾いてみな、と渡されたギターで、レスポールが往年を思わせるなめらかな早弾きを披露すると、若者はびっくり。「じいさん、名前はなんてんだ」と聞く。レスポールは笑って、「ギターに書いてあるよ」。そう、ギターはギブソンのレスポールモデルだったのでした、と言うオチ。で、確かビールの宣伝だったと思うんですが、商品名がさっぱり思い出せないんだなあ、これが(笑)。

あれ、なんのはずみか、オジイの話ばっかりになってしまった。困ったもんだ。