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1997/09/10 「ワイン生活」と日本へのチップ制度導入

昨日から上司は日本に出張なので、なんだかゆったりした気分。東京から帰任手続きについてのマニュアルなるものを送ってきた。しかし、こちらから催促しないと送ってこないっつーのもなんだかなあ。

帰任費用な勿論、ある一定の基準で会社が負担する訳だが、それ以外に定額で、帰任手当てなるものをくれるらしい。くれる物は喜んで貰うけど、扶養家族がある人だと、68万円。独身者は16万円。なんだかどえらい違いだ。もっとも家族がいると、帰国に際しては本当に色々出費や気苦労が多いのはその通り。しかし、52万円も違うというのは…。実に損した気分。嘘でもいいから誰か籍入れて52万貰うか。

マニュアルには、帰任者へのアンケートなんて余計なものも添付されている。うちの人事部も、いつもゴチャゴチャ書かすんだけど、どんな風に利用されてるかさっぱり解らない。無駄な仕事の拡大再生産。あほらしいので記入するの止め。

引き払う前の挨拶もあり、9月26日にシリコンバレーの事務所に最後の出張をすることにした。結構日程がきつい。でも土曜日をむこうでステイするから、チケットは400ドルちょい。一応ホテルも空いているのでよかった。


昨日の夜、「ワイン生活」(新潮社 田崎真也著)を読了。なかなかに面白い。この人は世界ソムリエコンクールに日本人として初めて優勝した経験を持つ、ずいぶん権威ある(笑)人のようだが、普通に信じられている常識と正反対の事が色々書いてある。例えば、こんな調子。

ね、ちょっと驚くような項目があるでしょう。まあ、これをいちいち解説すると、本の内容の剽窃(ひょうせつ)になってもいけないので、興味ある人は、是非、買ってご一読を。しかし、それでは私の日記のネタにならないので(笑)、ひとつだけワインの飲む温度について本からの受け売りを。

赤ワインについては、室温で飲むというのが、まあ常識。しかし著者によれば、この場合の室温とは、ヨーロッパの石造りの建物の平均室温を意味しており、赤ワインが一番うまいのは摂氏10度から18度の範囲だそう。

で、日本の部屋の室温は、基本的にはこれより高い場合がほとんどだから、その場合は、おいしく飲むには当然赤ワインは冷やさねばならない。グラスを鼻にもっていった時、むあ〜っとするのは、ワインの温度が高すぎる。レストランでも、室温で持ってきたら、少し冷やしてください、と言うべきだ。と続く。

でも、日本のレストランで本当にそんな事を頼んで大丈夫だろうか。生半可な知識のウエイターに「お客さま、赤ワインは室温で召し上がっていただく事になっております」なんて慇懃(いんぎん)にバカにされそうな気がして、なんだかひるみまないだろうか。著者はこの本を持っていって見せろ、とまで言ってるのだが。

ひるがえってアメリカのレストランでは、赤ワインはどんな温度でサーブされるか、という事については、まあレストランにもよるが、高級なところでは、専用のワイン・カーブがあるのが常識なので、やはり室温より少々低い温度に保たれている気が。

で、赤をちょっと冷やすように頼んで大丈夫かどうか、と言う事ですが、ちゃんとしたレストランなら、頼めばきっとやってくれるだろうなあ。こっちのレストランのウエイターやウエイトレスは、店からの貰う固定給は非常に低く、客のチップが収入のほとんどを占めていますから、基本的にお客様の意向を大事にする。(ぞんざいに扱ってチップが1セントになってはたまらない)客が頼めば、たいがいの事は喜んでやるような。

そういう面では、日本もレストランにチップ制度を導入すべきだ。固定給を低くして客のチップで食わせる。口の聞き方も知らないバイト君や、仲間うちでしゃべってて注文も取りに来ないようなウエイトレスには、チップ10円しか払わない(笑)。給仕するほうも、もっと一所懸命にお客の事を考えるようになる事は確実でしょう。

タクシーも基本料金と運転手の給料を下げて、10%から15%のチップ制度を導入する。で、大荷物を持ってるのに手伝ってくれなかったり、行き先を告げても返事もしないような、態度が悪い運ちゃんにはチップを減額して腹いせをする。<君は腹いせの事しか考えてないんかい! もちろん快適なサービスを受けたら大目にチップを払えばいいわけです。面倒なようだけど、チップ制度を導入したら、かえって快適な社会が実現するような気がするけどなあ。どうでしょう。