昨日、寮に帰ってみると、購入したTVとビデオが配達されて一応管理人立ち会いですでに部屋にセットしてあった。なかなかよろしい。アメリカではまだほとんどポピュラーではないのだが、日本ではやたら横長TVが多いので、28インチでも安いやつを試しに買ってみた。ところが、一緒にビデオを買おうとすると、電器屋の言うには、横長TVは普通のビデオでは写ることは写るが、本来は3D対応のS−VHSでないと駄目ですなんて言う。本当かいなと思ったが、こっちも知らないのでそれを購入した。しかし心なしかアメリカのケーブルTVより画質がいいような気がするなあ。
昨日は、そう言えば、うちの事務所のビルの消防避難訓練で、うちの事務所から出火なんて想定だった。先週知らされたのだが、なんでか知らんが私が消火班長に任命されてて、(よくあるよね、いない奴を任命する作戦。高校の時の体育祭の1500m走なんてだいたいホームルームの時たまたま休んでた奴がよく選出されてたなあ)実に迷惑な話。
ヘルメットかぶって消火班に、「初期消火開始!」とか、「火災は依然延焼中。屋内消火栓による消火開始!」なんて指示をくだす役をやらされる。消防署が立ち会いするので、みんな真面目で、こっちは台詞を覚えるだけで一苦労。どっちにしろ本当に事務所で火が出たら、こんなにうまくはいかんよなあ。
アメリカのビルでも避難訓練があったが、放送で皆ゾロゾロ外へ避難するだけで、自衛消防隊なんて組織してなかったなあ。第一素人がへたな事をして怪我でもしたら、自衛消火を指導してた消防署は訴えられて、えらい目に会うんじゃないだろうか。しかし日本ではお上の強制と言うか指導にビル管理会社は唯々諾々と従ってるだ。
余談だけど、ずいぶん前のアメリカでの調査で、「一番尊敬する職業」で消防士(Fire Fighter)が一位になってるのを見てちょっと驚いた事がある。まだ「バックドラフト」なんて映画が公開される前だったと記憶してるけど。考えてみれば、日本でも江戸の街では、火事とケンカは華と呼ばれ、火消しの頭領がイキな男の代名詞だった時代もあるもんなあ。
しかし、今の日本で調査すると、消防士が一位になるだろうか。自分の生命を省みず、誰かが火の中に残ってると聞けば、それが誰であろうと、勇敢に火の中に飛び込んで行く男達。考えてみれば尊敬されて当たり前の、危険で崇高な仕事で、こういう職業が一位になるところが、アメリカ人の単純なところと言うか、マッチョでしかしナイーブなところというか、逆に日本が忘れ去った素朴なところがまだ残っている国だと言っても間違いではないだろう。もっともアメリカはなんでも両極端で、ちょっとしたアイデアひとつで苦労なしに大成功した人間が、アメリカン・ドリームの体現として崇拝される風潮だってあるんだけど。