MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

1998/03/14 「アメリカ英語とイギリス英語」

金曜日に読んだ「アメリカ英語とイギリス英語」(大石五雄:丸善ライブラリー)がなかなか面白かった。著者は、アメリカとイギリス双方に滞在したアメリカ英語の研究者。アメリカにいた時にごく自然に使っていた表現がイギリス英語では一般的でなかったり違う表現だったりするのは、なかなか面白い。ただ、両国にそれぞれ数ヶ月滞在しただけなので、アメリカの部分には細かい間違いもところどころあるようだ。

米語と英語の違いなどと言うのは、時折、高校レベルの英語の授業でも一部紹介されたりした記憶があるが、本の最初の部分から、ごく自然に私がアメリカで使っていた表現で、イギリス英語とは違うものをちょっとだけピックアップすると、こんなところ。

ちなみに私はこのHTMLを作成するのに、HyperEditと言うシェアウェアのHTMLエディタを使っているが、テーブルWizardなんてあるのに今日気づいたので、さっそく使ってみよう。おおっ、なかなか簡単にできるじゃないの。ま、見てくれは別として。

日本語訳アメリカ英語表現イギリス英語表現
失礼(体が触れた時など)Excuse me.Sorry.
元気?How're you doing?一般的ではない
軽い別れの挨拶Have a nice day.あまり聞かない
明日電話します。I will call you tomorrow.I will ring you tomorrow.
主婦HomemakerHousewife
フライド・ポテトFrench fries(Potato) chips
ファストフードのテイクアウトto go (take out)take away
町の繁華街DowntownCity centre

この本には、実に丹念に色々の単語の違いが上げられていて、これはごく一例に過ぎないが、しかし漠然とは感じていたもののいざ列挙されてみると随分と違うもんだ。「Excuse me」については、以前、「英国見聞録」さんのところで、イギリス人はやたら「I'm sorry」を連発すると紹介されてたような気がするから、やっぱりアメリカで「Excuse me」と言うところで連発してるんでしょう。

「How're you doing?」は確かにちょっとくだけた表現だから、イギリスではあんまり使わないんだろうなあ。「Have a nice day」は、知り合いと顔を合わせて別れる時なんかに、「それじゃ」なんて軽い気分で使う挨拶だが、解説によると、近年、イギリスにも逆輸入されて来たらしい。しかし、イギリス人の語感では、口先だけの嫌な挨拶なんだそうだ。

「Have a nice day」に対しては、アメリカでは「You,too」と答えるのが普通だが、イギリス流の答え方では「Thank you」と言う人もいるらしい。アメリカに来たイギリス人は、「アメリカの野郎は、こんな薄っぺらな挨拶をしおって、気に食わんわい」とばかり苦虫をかみつぶしたような顔で答えるんですかね。

「Homemaker」は、「Politically correct」な立場から、アメリカでだんだんと一般的になってきた言い換えだから、「Housewife」でも勿論、アメリカでも通じるでしょう。「french fries」は、そう言えばシカゴで一緒のプロジェクトで働いていたフランス人が、なんであれを「フレンチ・フライ」って呼ぶんだとブツブツ言ってたなあ。

もっとも、言い方が違うとは言えどちらも英語に違いないから、基本的にはまったく意味が通じない訳ではないだろう。イギリスに行った事は無いので、保証の限りではないけど。しかし、ケーブルTVでイギリス国営放送のニュースなんて聞いてると、確かに、発音も結構違うもんなあ。

アメリカでは、いわゆるボストン・アクセントと呼ばれる、ニューイングランド地方の英語には意味にも発音にも、比較的イギリス英語の影響が残っているようだ。(「Common」を「Park」の意味で使うなんかはそうらしい)しかし同じ東海岸でも、NY出身で、シカゴで一緒に働いていたアメリカ人のマネジャーは、イギリスに旅行すると、どうも自分の英語を馬鹿にされてるようで、気分がよくないと言ってましたなあ。

これは、やはり地方から東京に出てきた日本人の気分に似てるかも。いや、東京から関西に転勤になって普通にしゃべると、「なにカッコつけてるねん」と理由なく馬鹿にされる気の毒な東京人の心境に近いか。しかし、アメリカ人は実はイギリス英語やヨーロッパ文化に屈折した劣等感を抱いている節もあるから、ちょっと日本の関東、関西の例には当てはまらないなあ。

で、アメリカのネイティブでこれだから、まして、日本人がイギリスに旅行してアメリカで覚えた英語を話すと、英国人に、「このアジア人は、アメリカ風味で、しかもアジア訛りのある実に品の無い珍妙な英語をしゃべりおるわい」なんて思われるんだろうか。ちょっと気分悪いl。ははは。