金曜日が休みだった関係で、なんだか日曜日のような気がする土曜日。昼前から車でブラブラと外出したが、とんでもなく道路が込んでいる。やっぱり祝日だからだろうか。都心でちょっと買い物でもと思ったのだが、長い渋滞に巻き込まれて、ずっとノロノロ運転。David Bowieの懐かしCDを聞いてたのだが、「Scary Monsters」、「Diamond Dog」「Ziggy Stardust」と、どんどん過去に遡って行ってアルバム3枚聞き終わっても、まだ首都高速にまで着いてないってのは、ちょっとひどかった。
しかし、「Scary Monsters」最初の曲「It's no game」のところどころに入ってる日本語のナレーションは、何時聞いても笑える。発音はきちんとしているから、日本人の女性である事には間違いないのだが、まず翻訳の文章が固い。それとあの変な抑揚はなんだろうか。「新聞は書き立てるさあ〜〜」<いや〜、大爆笑。昔々のアルバムだけど、聞いた事ない人はこれを聞くだけでも買う価値があると思う。ははは。
日本の曲に、あんなのひどいナレーションを入れたら大ブーイングの嵐が起る事は間違いなしだが、向こうの連中は、「おおっ、なんかエキゾチックでいいじゃないの」なんて思ってるんだろう。きっと。
だいたい、アメリカ映画に出てくる日本人だって、時々ひどいのがある。明らかに中国人が出てきて、「ドモ、アリガト」なんて片言の日本語で日本人を演じてやがったりねえ。あとは、お約束のおじぎね。どうもアメリカ映画に日本のビジネスマンなんて出てくると、やたらとペコペコおじぎばっかりするんだなあ、これが。
シカゴで働いてる時は、よくアメリカ人に、「アメリカ映画は実に間違いが多い。実際にオレ達を見てみな、そんなにペコペコおじぎなんてしてないってば」、と解説したものだけど、まあ映画の中の固定観念ってのがあるんだなあ。もっとも、本社から社長や会長なんて偉いのが来た時は、やっぱりペコペコしてたか。<やっぱりやってるやないか<いやいや、映画ほどひどくはないって。絶対に。
ある時、日本に初めて出張するアメリカ人が、日本のおじぎって奴はこれでいいのかと聞きに来た。私の目の前でやってみせたんだけど、これが典型的なアメリカ人の考えた「日本人スタイルのおじぎ」ってやつね。おしりを不格好に後ろに突き出して、ほとんど水平にまで背を曲げて、しかもぐっと顔を上げて相手の顔を見る。ちょっと滑稽で笑っちゃうんだけど、彼は決して馬鹿にしてるんではなく、真面目に聞きに来てるのは表情を見て分かった。しかし、日本人は誰も、そんなおじぎしてないっちゅうねん。君たちは毎日日本人と一緒に働いてて、どこに目がついてんのや。と実に文句を言いたかったですなあ。
しかし、ひるがえって考えてみるに、日本の曲にだって、カッコつけかなんか知らんけど、外国人のナレーションを入れたのが結構ある。TVや映画やCMにだって外国人がよく登場するけど、どうせ、ただ英語がしゃべれると言うだけで、そこら辺の「自称タレント」の素性も知れたもんでない怪しげな外国人を連れてきてる時もあるでしょうな。FMラジオのDJは英語混じりでないといけない法律でもあるのかと思うばかりである。英語圏のネイティブからしたら、「なんじゃこりゃ!」なんて爆笑する「名作」が、きっと混じってるに違いない。まあ、おたがいさまかな。
そう言えば、昔、Mountain View の本屋を覗いていたら、「日本の変ったTシャツ」とか言う題名のアメリカで発行された写真集があった。要するに日本で作られた安物のTシャツってのは、零細メーカーや零細デザイナーが、ただ単にカッコイイからと言う理由だけで、デタラメな英語を書き散らしたのが氾濫しているから、アメリカ人にしたら大抵は大爆笑ものらしい。まあ、爆笑ですめばいいけど、何を考えたのか卑猥な4文字単語なんてのを書いたのもあるらしいから、あんまり笑い事じゃないよなあ。
そう言う和製Tシャツやスタジャンを見て、大いに笑おうと言う、なかなか面白い企画本だったが、次に行った時にはもう無かった。買っとけばよかったなあ。日本にも逆輸入されているだろうか。
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