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1999/06/06 全仏オープンテニス

いきなり余談だけど、下に貼ってあるUltra Rankingのバナーに変更があったようで、実に馬鹿デカクてカッコ悪い。なんでも前のはIEで読むとエラーが出るかららしいが、それにしてもちょっと不恰好だ。そろそろはずすかなあ。

昨日の夜中に全仏オープン女子決勝を見た。長い故障から復活した元女王ステフィ・グラフ対現女王マルチナ・ヒンギス。まれに見る死闘だったが、女性の主審は、どうもジャッジぶりがモタモタして権威に欠ける。線審もコールが遅かったりして感心しないなあ。

それにしても、微妙なボールのインアウトの判定がよくモメた。あんなにモメるのも珍しいような気がする。

そうそう、もしも正確にボールマークを確認するのだったら、あれだな。日仏親善のために、大相撲の呼び出しを派遣したらどうか。で、プレイの合間に、時々ライン際をあのほうきで掃除する訳だ。大相撲も、土俵際でもつれた時の判定のために一番ごとに俵の近くを掃き清めてるのだから、クレーコートでも採用を勧めたいな。塩まくのはダメだけど。


しかし、観客のヒンギスへのブーイングはちょっと気の毒な気がした。まあ、故障続きで引退も噂された元女王が、第6シードから勝ちあがってきたのだから、応援するのも分かるが、フランス人はそもそもそんなにUnderdog好きとは思えない。

ヒンギスが審判に抗議するたびにグラフコールが起こる。あれはやはり、ヒンギスの傲岸不遜とも見える態度にカチンと来た観客が、フランス人らしいシニカルな底意地の悪さを発揮したような印象だ。判定のじゃまになるような声を出す奴までいたのはひどかった。

ヒンギスの態度については、女王としての品格に欠けるなど、あれこれ批判があるようだが、子供の頃からテニス漬けの生活で、わずか18歳で世界ランキング1位に上り詰めた天才ってのは、そもそもああいうもんではないだろうか。マッケンローだって、品格なんてクスリにしたくともなかったよなあ。むしろ女性主審がきっちり毅然たる態度を示さなかったのが問題だったような気がする。何語でコミュニケーションしてたのか分からないが、言葉の問題もあったかもしれない。

不明な判定には、堂々と審判に文句をつけ、罵り、昂然と高笑いしながらプレイしていたヒンギスが、最後のミスショットで敗北が決定した時には泣き出しそうになっていたのは、それでも、やはり可哀想だった。まだやっぱり子供だ。未勝利の全仏オープンを、前女王を破ってどうしても勝ちたかったのだろうが、年齢を考えれば、ヒンギスの全盛期はこれからで、今後いくらでもチャンスはある。

グラフはドイツのマンハイム出身で、以前、うちのドイツ現地法人のマイハイム事務所が入居してるビルの別のフロアを引退後の事務所として借りる下見に来てたのだと、ドイツにいる同期から聞いた。ま、そろそろ引退の算段もしてるのだろうけど、3年ぶりの優勝で完全復活というのは見事だった。