MADE IN JAPAN! 過去ログ

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1999/09/12 PRIDE7 マーク・ケアー沈む・高田延彦vsアレクサンダー大塚

この週末は休肝日で部屋でゴロゴロ。夕方から、SkyPefecTVで、「PRIDE7」生中継を見た。横浜アリーナで行われた、高田延彦率いる「高田道場」主体の異種格闘技戦の生中継。オープンフィンガーグローブを着用、打撃OKのバーリトゥード系、ロープエスケイプ無し、10分2ラウンド制。普段はメインイベントしか感想書かないが、たまには全試合感想を書いてみよう。格闘技好きでないかたは、これ以降読んでも面白くない可能性が高いので、とりあえず、読む前に押そう、一日一回、猿人ボタン。

ボブ・シュライバーvs松井大二郎

ボブ・シュライバーは、オランダによくいるバーの用心棒系キックボクサー。仁王様のような体型だが、頭の形が、大相撲の逆鉾や寺尾の師匠、鶴ヶ峰親方にそっくりだ。そういえば、バス・ルッテンも同じような頭だなあ。

松井は足を取って常にグラウンドに持ち込むのはいいが、それから何の攻め手もない。結局、シュライーバーが反則連発で失格。しかし、松井は、相手との組み離れが常にモチャモチャしていてスッキリしない。自分からブレイク後の相手の反則パンチやキックを呼びこんでいるような印象。

カール・マレンコvsヴァンダレイ・シルバ

金のためなら誰とでも戦うという、ブラジリアン柔術のシルバは、爬虫類系の凄みのある顔。ねちねちと執拗な打撃を繰り出す。攻めきれなかったが、マレンコより常に優勢に立ち、判定勝利。このシルバというのはなかなか強そうだ。

エンセン井上vsトゥリー・クリハーパイ

クリハーパイとは聞きなれない名だが、トンガ出身。バリートゥード系の格闘技というのは、他のあらゆる格闘技を消費しつくした後で流行する、一種退廃的な格闘技だから、果たしてトンガに強いのがいるのかいなと思ったら、ボクシングが本業らしい。柔術もやるというふれこみだが、身体はたるんで、ポコンと腹は出て、どうも現役に思えない。

試合は打撃を一切除いた特別ルールで行われたが、あっという間に井上が腕ひしぎ十字固めで勝利。11月の対マーク・ケアーの前哨戦として、怪我したら商売に差し支えるから、わざわざ弱いのを選んで戦ったんじゃないかなあ。エンセン井上はリング上で色々と演説してたが、あからさまな商売優先のこういう特別扱いを見ると、やはり気持ちが冷える。カマセ犬とやった試合の後で演説すんなよなあ。

プランコ・シカティックvsモーリス・スミス

どちらも、昔、K1で見た顔の打撃系同士。うがった見方をするなら、これもお互いにやりやすい同士でマッチアップしたようにも見える。しかし、グラウンドではスミスに一日の長があり、チョークでシカティックがギブアップ。

小路晃vsラリー・パーカー

小路というのは真面目で善戦するのだが、あんまり華が無い。地味なんだなあ。体格差もあって、攻めきれない場面が多いのもそういう印象を与える原因か。相手も防御に回る場面が多かったが、延長戦で判定の上、かろうじて勝利。

桜庭和志vsアンソニー・マシアス

桜庭は、今回のバーリートゥード戦でプロレス技のダブルアームスープレックスをやると宣言しているほど、相手をなめきって試合するのだが、実際のところその反射神経と敏捷さは他をよせつけない。技のおもちゃ箱と呼ばれるのも不思議ではない。人間風車を狙いすぎたか、なかなか勝負が決まらなかったが、相手はほとんど何もできず、格が違いすぎた。快勝。

マーク・ケアーvsイゴール・ボブチャンチン

試合開始すぐに、ボブチャンチンの岩石パンチがいきなりヒットして、人類最強の男、マーク・ケアーがぐらつく。これには会場は大きく沸いた。しかし、その後はボブチャンチンがグラウンドできっちり守って膠着状態。ケアーが何かやろうとすると、岩石パンチが飛んでくるので、ちょっと攻めあぐねたか。

第2ラウンド、もつれあいから離れた乱打の時に、ボブチャンチンの強烈なヒザ蹴りがヒット。これでマーク・ケアーは意識が遠のいてしばしダウン。レフリーはここでボブチャンチンの勝ちを宣告した。ケアーはすぐに立ちあがって、グラウンド状態への蹴りはファウルだと食って掛かっていたようだが、しばらくノックダウン状態であったことは事実。しかし、10カウントKO制ではないのだから、はたしてあそこでTKO宣告してよかったかどうかは疑問が残らないでもない。それにしても、ボブチャンチンは、パンチだけでなく、ヒザのほうも岩石でできていた。マーク・ケアー衝撃の敗戦だ。

高田延彦vsアレクサンダー大塚

バリートゥード戦でプロレスラーとしての勝ちにこだわるアレクサンダー大塚は、レスラーとしては普遍であっても、異形の格闘家である。高田にとっては、対戦して勝っても得るものはないし、負けたら大変なものを失う。高田が、プロレスよりも強い格闘家を標榜してるのに、プロレスの亡霊に同じルールで挑戦されては迷惑千万なのである。しかし、だからこそ、逆にこの対戦を断れない、というのが、おそらくこの試合のかかえたジレンマであった。

それにしても、ドロップキック、コブラツイスト、フィッシャーマンズスープレックスを繰り出すバリートゥード戦というのも見たことない。これらはもちろん、アレク大塚の繰り出した技である。そういう面で、彼は一種のカブキ者として、異形の格闘家を自らの信じるところにのっとって凄まじいまでの全力を出しきって演じてみせた。

しかし、フィニッシュはプロレス式ではない。高田から顔面へ蹴りを食らい、倒れたところに蹴りとパンチをボコボコに叩きこまれる。すでに試合継続は不可能だったと思うが、高田がスリーパーホールドに移行したところでレフェリーが試合をストップ。まあ、見ごたえある、たいへん派手なアレク大塚の大玉砕であった。

はい、長々とここまで読んだ人はお疲れさまでした。ま、ここまでウダコダ書けば、PPV 2000円のモトは十分取ったような気がするな。はは。

しかし、本来ならば、延々と格闘技のことを書いてる場合ではないのである。明日の朝、5時から、いよいよスカパーで、サンフランシスコ49ersの開幕戦が生中継される。緒戦の相手がいきなり違うカンファレンス、昨シーズン11勝してプレイオフに進出したジャクソンビル・ジャガーズ、しかもアウェイ、と3重苦そろって、実に大変なシーズンの始まりなのだが、これは必ず見なくては。今日はちょっと早めに寝て、早朝起床の予定。