MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2000/01/18 オウム麻原の関与

Yahoo! JAPANでニュースをチェックしていると、オウムがインターネットのページで、教祖麻原の犯罪への関与を認めたと報じられている。今日は朝刊を読んでなかったので知らなかった。 こういう風な報道だ。

「上祐史浩氏(37)は、一連の事件について「断定はできないが、教団執行部の見解として、開祖(松本被告)が関与したのではないかと思われるという認識で一致した」と述べている。 「事件に関する総合的見解」として「事件に関係のある旧教団の責任役員」との立場で上祐氏名で、「抜本的教団改革」として村岡代行名で発表している。
思い出してみれば、上祐は地下鉄サリンの時にはロシアにいて、事件にはかかわっていない。その他の殺人への関与も検察が立証できなかったから、大した罪にも問われずに出所してきたわけだが、実際のところ、麻原が何をやっていたか知らなかったはずはない。おそらくは、殺人がからむ事件への関与を、注意深く避けていたのではないだろうか。

麻原は、ヨガの行者としての修行には長けていたかもしれないが、そもそもは学も無く、粗暴で後先の考えのない人物である。他の幹部が麻原を狂信して、人殺しにまで手を染める中で、麻原の狂気を影であざわらい、その破滅と教団の未来を見据えていたのが上祐だったとするならば、この発表は当然と言えば当然だ。

麻原はどう考えても娑婆に戻ってくる可能性は無きに等しい。麻原の犯罪は犯罪として認めた後は、教団の開祖、経典に出てくるだけの精神的象徴として祭り上げて、教団との実質的関与を絶つ。後は上祐のやりたい放題。そう考えるならば、オウムの内部で密かに進行しているのは、上祐による一種の無血クーデターである。

麻原を狂信するいわゆる武闘派信者は、麻原タナアゲによって力を失う。すでに大部分は教団を去っているらしいが。ま、もしも残ってたとしても、今後は選別され、排斥が始まるのだろう。残るは、いまだに一種崇拝の対象になっている麻原の娘だが、子供を手玉に取るくらい上祐にはなんでもないことだろう。コントロールさえできるなら、シンボルマークとして昔からの従順な信者を繋ぎとめるには、いたほうが便利でもある。

オウムがアレフに名前を変えて、上祐に導かれてどこに行こうとしているのか。恐らくは、麻原のような狂気の道ではないはずだが、地下鉄サリンの大量殺人の責任にどのように決着をつけるのか、そして今後とも信者を引きつけるだけの力を教団として持ちつづけることができるのかどうか。そこにちょっと興味がある。