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2000/04/26 日本の総理大臣は代々「蜃気楼」だった 

仕事のほうはなんとか平穏無事。昼休みに回覧されてきた「プレジデント」を読んでると、アムステルダム大学教授、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏が書いた「日本の総理大臣は代々"蜃気楼"だった」という記事が掲載されている。

「蜃気楼(シンキロウ)」は、もちろん、森喜朗(もりよしろう)首相のアダナ。身体はデカイが、臆病で腰が据わらず定見が無い、他人の意見にすぐフラフラと動揺する性格からつけられたらしい。ま、ある意味、「冷めたピザ」よりもっと情けないアダナである。

オブチ首相が倒れた時に、日本のメディアが「首相不在が半日も続いた日本の危機管理システムの甘さ」を指摘して大騒ぎしたことをウォルフレンは嘲笑い、実際には日本には過去半世紀に渡って、首相などほぼ一貫して存在していなかったではないか、と痛烈な日本政治批判をしている。

ま、オランダ人にあんまり日本の政治の内幕をアレコレ言われたかない、と言いたいところだが、誠に残念ながら、述べられていることは大筋において事実だ。困るよなあ、こういうのも。

政策や理念も無く、ただそろそろオレの順番だからと総理大臣になりたがる政治家達。施政方針演説では、美辞麗句をならべるが、確固たる信念や理想は何も無く実行力も無い。官僚が裏ですべての政策を決定する旧来のシステムに乗っかって、ただ、総理大臣という役を演じているだけなのが日本の首相の実態だとウォルフレンは言う。

ま、日本の政治の現状は確かに情けない気がする。政治家を責めるのはたやすいが、独裁国家でもあるまいし、突き詰めて考えるとそれもすべて選挙による日本国民の選択の結果なのである。

もっとも、人口の動態を国会議員の定数にもっと反映させ、現在の1票の格差の是正を行えば、過疎の農村部から選出されている利益代表がバッサリと減って、国会議員の構成や政党の勢力はずいぶんと変わるに違いない。金権にまみれた村会議員や県会議員の親玉が、国会議員として田舎から選出される。そういう輩は、国の税金使って故郷に道路を作ったり、トンネル掘ったり、地元に利益誘導する事だけにしか関心がない。やはり、そんなお粗末な状況から変えてゆかないと、どうにもダメな気がするなあ。