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2000/09/16 シドニー・オリンピック開会式を見る

昨日の夜は、シドニー・オリンピック開会式をBSで見る。前のアトランタの時はまだアメリカに住んでいてあっちの放送で見たのだが、Web日記は書いてなかったから、夏季オリンピックの感想をここに書くのは初めてということになる。

この手のショーは、まあ、何見ても同じように見えるもんだけど、少なくとも長野冬季オリンピックの開会式よりも数段よかった。長野五輪の浅利慶太演出は、西洋のサル真似に、訳の分からん悪しき日本風味をブチ込んで、首を傾げざるをえなかったもんなあ。相撲取りを出せばいいってもんでもなかろう。

オーストラリアの歴史をフェアに語るなら、原住民アボリジニに触れざるをえないだろうが、この開会式のショーでは、白人の少女が夢の中で、アボリジニの首長に出会い、その先導でオーストラリアの歴史を駆け巡ってゆくという設定が、シンプルかつストレイトでなかなか結構。

この狂言回しとして登場する13歳の少女は、オーストラリアでは有名な子役なんだそうだが、「Deep Sea Dreaming」では、ワイヤで中空高く吊り上げられて、ずっとスタジアムの中空に浮かんでいる。クルクルと回転したり、笑顔を絶やさず手を広げて中空を移動したり、体力的に大変な役を立派にこなしたのは見事なプロ根性。

少女の夢の案内人をつとめる相撲体型のアボリジニの親方も、ほとんどの場面に出ずっぱりであったが、肉体の動きに妙な表現力があって、どのシーンでもサマになる。あれはやっぱり俳優なんだろうか。

照明に浮かび上がるスタジアムの地面は、いかにも飛行機から見たオーストラリアの砂漠の色そのまま。シートでも引いてるのかと思ったら、普通の地面に色砂を撒いて陰影をつけているようだ。なかなか凝っている。

「Bush Fire」 では、火吹きの大道芸人がオーストラリア中から200人集合。面白いアイデアで、200人がスタジアム中に散らばって火を吹くのは、今までに見たことのないスペクタクルだった。

ずいぶんと金も人手もかけたと思うが、入場行進の開始が1時間も遅れるというところが、陽気でずさんなオージー気質を反映しているようで、興味深い。それにしても、日本選手団のマント姿は珍妙であった。なんで羽織袴や振袖で行進しないんだ。<普通はしません。

オリンピックに女性が参加してから100年ということで、スタジアム内の聖火最終ランナーはすべて女性だったが、女性の金メダリストがゴロゴロいるというのが、さすがにスポーツ大国、オーストラリアならでは。

アボリジニ出身の最終ランナーが点火した聖火台も、水面下から出現した後、人造の川をスタジアム上方へ移動して行くという、たいへんに凝った壮大な機械仕掛けだったが、移動がなんだかエラク間延びしている。これは失敗かと思ったら、ようやくガクンと動き出した。機械のトラブルでもあったか。裏では操作盤を殴ったり蹴ったりしてようやく動かしたんじゃないだろうかと思わせる、これまた陽気でずさんなオージー気質が現れているような動きであった。

BSでの開会式の実況は、NHKだと思うのだが(今度は大丈夫だろうな、民放じゃないよなあ。はは)、男女のアナウンサーが交代で、実に丁寧かつ真面目に原稿を読んで行く。ちょっとはアドリブもあるのだろうが、お互いの発言にまったくリアクションが無く、相手の発言には立ち入らないので、氷のような関係の仮面夫婦がお客の接待をしているようだ。これもなかなか妙な味がある。ただ、出場国の紹介が、やたらに「国土の何割を砂漠が占めているか」にカタよってたような気がしたが、あれはデータを下調べした奴がかなりの無能であったということだろう。

中継を見ながらワイン飲んでたら酩酊したので、昨日は早々に就寝。朝起きてTVをつけてみると、さっそくあれこれ競技が始まっている。観戦には、時差があんまりないのが便利だ。