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2000/09/25 「希望的観測」ではなく「事実」を 

日本ボート史上初でオリンピック決勝進出した、軽量級ダブルスカルの2人組は、やはり決勝最下位だったそうだ。そもそもボートの軽量級はアジア人のために設定したという話だが、やはり基礎体力が違うというか、彼我の格差は依然として大きい。

昨日の夜は日記をアップした後、オリンピック女子マラソン後半部分の再放送を見る。朝に生中継で見た時は、2日酔いでモウロウとしていたせいかあんまり気にとめなかったが、特に最後のほうの実況と解説はあんまり感心しなかった。

高橋の応援はいいが、一時は30秒以上離されていたシモンが終盤に凄まじい追い上げをしているのに、そちらを冷静に伝えていない。益田明美なんかは、高橋尚子がスタジアムに入る時に、「まだシモンと300メートルは離れています」と、とんでもないことをしゃべってさすがにアナウンサーが訂正を入れていたが、その前からシモンが急速に追い上げており、2人の差はおそらく100メートル程度だったろう。ゴールした時で8秒。50メートル程度か。

2位に終わったシモンは、「どうしても金メダルが取りたかった」と、試合後に涙を見せたそうだが、終盤のスパートはさすがに鬼気迫るものがあり、あと1キロあったら、さすがの高橋尚子も抜かれていてもおかしくなかった。

高橋に勝ってもらいたいのは日本人なら誰でも同じだが、シモンの血を吐くような凄まじい執念の追い上げを虚心に伝えてこそ、作り物ではないスポーツのドラマがくっきりと浮かび上がったと思うのだが。スポーツの実況では、アナウンサーや解説者の「応援」や「希望的観測」を聞きたいわけではない。ただ彼らに「事実」を伝えてもらいたいだけである。

オリンピックはずっとBSで見てたのだが、たまたま見た昨夜のフジテレビの番組もひどかった。某野球選手と結婚した、タレント気取りの馬鹿アナウンサーが、シドニー現地で水泳女子のメダリストを呼んでインタビューを仕切るのだが、人物紹介にしてからカメラの動きとまったく合っていない。

シロウトをスタジオに入れてインタビューするのだから、プロのほうがしっかりダンドリするのは当たり前なのに、画面もそうだが、インタビューにしてもロクな内容無し。やって当然の準備すら、まったくやっていないという印象だ。いったい何しにシドニーまではるばる行ってるんだろうかね、このおねえちゃんは。観客席でキャーキャー言うだけの係だろうか。これで給料貰ってたら詐欺である。

昨夜はプロ野球でも巨人が優勝してパーティーの様子が流れてたが、ビールかけに報道陣まで割って入って一緒になって騒ぐのは、いつ頃から当然のことになったのだっけ。女性アナウンサーがプロ野球選手やら相撲取りと結婚するようになったのと期を一にしてるような気がするが。

そういえば、お笑い番組でも、売れない芸人を虐待して喜ぶ企画がある。事情を知らない外国人が見たら、人権無視の虐待としか取れないような番組を、大笑いして痴呆のように歓迎する観客。真面目な批判を受けたら、「これは下請けが製作したヤラセですから。シャレ、シャレ。」と逃げるのか。

古代ローマの為政者が、パンと見世物を民衆に投げ与えたのは、為政者が愚かだったからか、愚かな民衆がそれだけを求めたからか。例えて言うなら、これはウーパールーパーのような奇妙なネオトニー(幼形成熟)だ。ま、お猿さんのネオトニーが人間だという話もあるらしいから、案外、世界先進なのかもしれないが。

なんかムヤミに機嫌悪いが、実はこれから、録画しておいた日曜のサンフランシスコ・49ers対ダラス・カウボーイズ戦を見る。今日一日、ネットでも結果を検索せずに我慢してたわけであるが、やはりビデオ見たら負けてるのではないかという悪い予感がして、その予感でご機嫌が悪いわけである。ははは。それでは。