TVをつけると、アメリカ同時多発テロの続報が、日本でも続いている。それにしても、アメリカは本当に報復するつもりだろうか。ブッシュ大統領は、共和党とはいえ、オヤジの七光りでグータラばかりしてたドラ息子で、マッチョなタイプではない。まさか武力の報復にすぐに動くとは思わなかったが、どうも本気のようだ。ディック・チェイニーの入れ知恵か。 しかし、いったい誰に? いったい、どこの国に対して? タリバン政権が、ウサマ・ビンラディンを保護してるのは事実のようだが、だからといってアフガニスタンに爆撃を加えるのが、本当に「報復」として認められる行為だろうか。各国首脳が「報復を容認する」と述べているのも、心情としては分からんでもないが、実に疑問だ。 テロの首謀者も、本当にビンラディンだという確証があるのかどうか。戦争ならば、一応、宣戦布告という手続きがあり、相手は最初から明かだが、テロという卑劣な犯罪の場合は、そうはやすやすと行かない。卑劣だからといって、こちらも無差別爆撃するのなら、それもまたテロリズムだろう。 ま、やはり、ドイツがやってるように、テロリストとして認定した人物は、どこで遭遇しても問答無用で射殺して可という対応をとるしかないか。これは過激なようだが、そもそもテロの首謀者というのは、あちこち大手を振ってウロウロしたりしない。テロを根絶することには繋がらない、実際には大変に消極的な対応策だ。 しかしそれでも、こういう手段をとるより他にはテロに対する対抗手段なんてないというのが、我々が住んでる文明社会の限界であり、また病んだところでもあるのだよなあ。 そうそう、驚天動地のテロ事件ですっかり影が薄れたが、日本の安全に大きな影響を与えかねないのは、千葉で狂牛病発生のニュース。今年7月のこの記事によると、欧州委員会が日本での狂牛病の発生危険性について報告書をまとめようとしたところ、日本農水省が「必要以上に危険性が強調される」と抗議し、作成を断念していたのだという。 「狂牛病発生の危険性がある」とのレポートを握りつぶしておいて、その後2ヶ月もしないうちに、千葉で狂牛病と見られる牛が発見されたというのは、農水省も何を考えていたのやら。 もっと驚くことには、農水省は、この牛が「廃棄された」と発表していたのだが、この牛は処理場で処分された後、飼料を作る化製場で肉骨粉に加工されていた。千葉県の調査で分かったのだというが、この肉骨粉こそが、日本にも狂牛病が渡来するルートではないかと心配されていた物なのであるからして、日本国内でもこの流通を止めないと狂牛病の蔓延は防げないのは当然だ。 それにしても、こういう仕事しかしないのだったら、日本に農水省なんていう役所は必要無いな。解体してもらいたい。もしも、これが民間企業なら、狂牛病対策が管轄の管理者は全員クビである。狂牛病が発生したことでクビなのではない。 国民の安全確保に必要な情報を隠し、握りつぶしたこと。そしてそれが裏目に出て、危機が発見され、公表された時に何の対応もしなかったこと。それどころか、また姑息に情報を隠そうとしたこと。危機管理以前に、そういう根本的に誤った対応をいつまでも続ける、信じられないようなその愚かさの故にである。 |