今日は、なんだか早く目が覚めた。 TVで、「日本総領事館連行事件」に関する論評を見る。映像が衝撃的だったので、北朝鮮からの亡命者に同情的な論調が目立つが、実際のところ、日本として、北朝鮮からの亡命者を無条件にいくらでも受け入れる用意があるのか。在外公館には、亡命者をいつでも受け入れるようにという旨の通達が出てるのか。そこまで国としての対応の腹を固めてからでないと、在外公館の役人だけを責めてもしかたない気がする。 ニュースステーションでは、亡命を手引きした韓国NGOの言葉として、「アメリカ領事館はヘイが高く、門が締まってたのであきらめた」との報道がされていた。日本の総領事館は、駆込みやすかったわけだ。しかし、駆込まれやすいのに、それに対応する準備ができていたか? 金丸信は、社会党の田辺委員長と一緒に北朝鮮に行った時何をしたか?。「ごめんなさい」と土下座しただけ。金正日のドラ息子と見られるデブが、入国管理法違反で逮捕された時の日本政府の対応は? 日朝交渉の切り札にも使えたのにロクな取り調べもせず、丁重に中国経由で「お帰り頂いた」のであった。 政治家が[「ことなかれ主義」の土下座外交しかできない国で、下っ端の公務員だけに毅然たる態度で国益を守れてといっても、無理なんだ、それは。 警官の帽子を拾ってやった副領事が、弱腰だと文句言われているが、アレは外務省ではない役所からの出向者だ。「中国領事館副領事に、ウチの役所の枠がある。今度はお前が行って来い」と言われて、遊山気分で中国に駐在してただけの男に過ぎない。亡命者を受け入れる心得やら、国益やら国家主権などと、聞いたこともないし、急にヤリダマに上げられて話が違うとオロオロ泣いてるのではないだろうか。 「亡命者を見殺しにする国」、国際的にそういう風評が立つのは日本国民として情けない限りだが、事実なのであるから、そういう風評は、甘んじて受けるしかないだろう。まきかえすとしたら、お役人ではなく、政治家が動いて、日中国交断交までちらつかせて国家として正式な大抗議をするしかないであろう。 しかし、当面は、外務省も在外公館には亡命者に走りこまれないように、「門扉を四六時中、しっかり閉めておけ」と通達するほうがよいのではなかろうか。亡命者には気の毒だが、走りこまれても、オロオロするだけで助けてやれないのでは、むしろ門扉を閉めておいたほうが亡命者に対しては親切というものだ。 人道上からは、実に残念な話であるのだが、今の世界は、誰でも自分の国籍を自由に変更できるようにはなっていない。逆に、誰でも自分の所属する国を自由に選択できるような、そんな時代は本当に地球上に来るのだろうか。 |