昨日、Yahooのニュース見てると、青森県住宅供給公社の元職員、千田郁司の14億円横領事件で、資金回収の一環として、千田被告のチリ人の妻アニータ・アルバラードさんの自宅競売が29日、首都サンティアゴの民事法廷で行われ、4億5000万ペソ(約7500万円)で落札した。との報道。千田被告がアニータに貢いだ金は、すでに外国に持ち出されており、事件当初は、果して回収できるかどうか、悲観的な観測が多かった。競売によって、わずかでも金が戻ってくる訳だが、公社側に依頼された弁護士の仕事だとしたら、実に大健闘である。回収に応じた歩合でも貰う契約なんだろうか。 もっとも、この財産没収を、単純に正義と称するには、ちょっとはばかられるところがある。チリの法律では、「妻が結婚前から独自に得たもの以外の財産は、夫に帰属する」という規定があるらしい。離婚も認められていない。要するに、妻の独立した財産権を一切認めていない、なんとも時代錯誤、前近代的な法律を持つ国だ。日本であったなら、不当利得としての返還請求は困難だったのではないだろうか。 しかし、このチリ独特のアナクロな規定をついた回収策が、公社側の弁護士のアイデアだとしたら、これまたなかなかエライもんである。千田があれこれプレゼントをしたスナックママなどにもこまめに不当利得返還請求をして、スズメの涙ではあるが回収してるらしい。事件の記者会見に同席した弁護士は、風采の上がらないジイサマだと記憶してるが、あれが責任者だとしたら、人は見かけによらないということだなあ。 もっとも、14億円も横領されてから回収に走りまわっても、すでに時遅し。横領を防ぐ内部牽制システムがまったく存在しなかったことが一番の大問題なのだが、私も、こういう金があるけどズサンかつタコな組織で、会計の責任者をやってみたいなあ。<コラ。 |