MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2002/09/07 「お土産なんぞ持たして返す気はない」 

今週号の「週刊文春」に、小泉首相の北朝鮮訪問関係の記事が掲載されている。トップ記事は、某北朝鮮高官が、「小泉訪朝は、金王朝の権威を高め、援助を引き出すために利用するだけ。お土産なんぞ持たして返す気はない」と語っているというもの。

もしも、この発言が本当だとしたら、この高官も、ラチもないことをペラペラしゃべって、相当愚かだという気がする。まあ、貧すれば鈍す。高官とはいえ、世界の最貧国、北朝鮮の政府での話。それなりの知性も品格も感じられない発言だ。

しかし、2時間の予定とはいえ、小泉首相も、金正日と、いったい何を会談する予定なのか。私物化した絶対権力を世襲で承継し、全人民を飢えさせて、自分だけは恥ずかしげもなくデップリと肥え太った独裁者と、ニッコリ笑って握手することに「政治生命を賭ける」意義があるのだろうか。もっとも、ご本人は、「政治生命を賭ける」発言を、後で取り消している。

2年前に訪朝した金大中大統領でさえ、共同声明を出しただけで、会談での実質的な成果は何もなかった。小泉首相にしても、会談冒頭から、不審船問題、日本人拉致問題を問い詰め、納得行く回答がないのなら、5分で会談を打ち切るくらいの気概を見せないと、会談は、金王朝の神格化に利用され、金をむしられるだけに終わるだろう。

北朝鮮通の英国大使を臨時に呼び戻し、先遣隊まで派遣して準備を進めているらしいが、外務官僚が従うのは、「とにかく相手国を刺激しないように、穏便に」という毒にもクスリにもならないポリシーだけ。まあ、むこうのプロパガンダに利用されて終わりだろうなあ。