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2002/11/13 トヨタが10億所得隠し

Webでニュース見てると、「トヨタが10億所得隠し、トップ就任披露祝儀も裏金に」という読売新聞の記事。

「トヨタ自動車」(本社・愛知県豊田市)が1999年に開いた奥田碩会長と張富士夫社長の就任披露パーティーで、出席者から受け取った祝儀のうち約4000万円を裏金としてプールし、名古屋国税局から所得隠しを指摘されていたことが12日、関係者の話でわかった。同社は税務調査で2000年3月期までの3年間、この4000万円を含む計約10億円の所得隠しを指摘されており、重加算税1億円を含め約4億円を追徴課税(更正処分)された。
ということなのであるが。

会社としての社長就任披露パーティー費用は、交際費として全額損金参入を否認される。逆に、パーティー参加者が持参したご祝儀は、パーティー費用と相殺することは許されず、雑収益として会社の益金として申告し、法人税を支払う必要がある。もしも、ご祝儀を社長個人に渡したとしたら、社長のほうに個人所得税課税の問題が生じるであろう。

「一粒で2度辛い」まるで「往復ビンタ」のような、たいへんに厳しい法人税の運用であるが、これは経理のプロなら誰でも承知している、交際費課税の「イロハ」の「イ」でもある。

本当に天下のトヨタがこんな不正をやっていたとは、ちょっと信じがたい。10億円の追徴の大部分を占めると伝えられる下請けとの仕切値段の件なら、「国税当局と の見解の相違」で納得が行く。しかし、このパーティー費用の処理が本当なら、これは明らかに悪質、しかもすぐにバレかねない、愚かな脱税だ。「悪法なれど法は法」、コンプライアンスの問題がしきりに騒がれてる昨今に、本当にこんなことを、「大トヨタ」がやってたのだろうか。いやはや。

ま、普通の法人税での更正事例なら、新聞に掲載されても大したことないのだが、この案件が本当なら、トヨタ首脳の進退に発展しかねないほどの悪質さだ。

もっとも、トヨタ自動車単独決算の前年経常利益は、およそ7千7百億円。所得の更正額が10億円というのも、極端に些少な比率であり、これはこれで、トヨタが実に真面目なメーカーであることを示している。だから逆に、社長就任披露パーティーでのご祝儀不申告の脱税というのが信じられないのだが。う〜む。