昨日の疲れで本日もグータラ。4連休でよかった。
先日書いた「ブレードランナー」について、「シカゴあたふた」山本Kさんから、「映画の冒頭、デッカードが日系のフードスタンドのオヤジに、「2つで十分ですよ」と断られたのはなんであったのか」を明かにするページをメールで教えていただいてたのだった。おもしろいのでここでご紹介。
ブレードランナーファンのページだが、オリジナルワークプリントからの画面を載せてある。この公開されなかったフィルムには、デッカードの手元が映っており、エビみたいなものを2本載せたドンブリが見える。とすると、デッカードは、このエビを「Give me four」と言ってたのだろうか。で、日系のコックが「2つで十分ですよ」と言うのである。
実はこれはちょっと新鮮な驚き。というのは、私は、デッカードが4つ頼んだのは、てっきりイナリ寿司に違いないと長年思いこんでいた。なぜなら、その後で、デッカードは、「and noodles」と、ウドンかソバを注文しており、ああいう場所で麺類と一緒に頼む数物というと、やっぱりイナリだと思ったから。
しかし、確かに、DVD版、「ブレードランナー最終版」を見直しても、別にイナリ寿司説を補強するに足る根拠はどこにもない。思いこみってのも怖いなあ。やはりエビか。しかし、あの画面を見ると、ドンブリの上にカラ付きの(しかも生か?)エビがただゴロンと乗っかっているように見える。
ごく普通のメリケン人の日本食に対するイメージはああいうものだと言われればそれまでだが、しかし、生の殻つきエビをゴロンとドンブリの上に乗せへんっちゅうの。ま、これはあれだな、インド人がカツカレーを見たり、イタリア人が海苔納豆スパゲッティを見て、「お国の料理ですね」、と言われて感じる感慨に近いだろう。ははは。
午後はのんびりと、昨日購入した「シックス・センス」のDVDをチェック。本編そのものはSkyPerfecTVでも放映していたから再見済みなのだが、付録でついている監督やスタッフのインタビューやカットされたシーンなどが興味深い。もっとも、もしも本編を見たことがないのなら、先に付録の特典映像を見るとラストの謎が分かってしまうから、当然ながら本編を先に見ることをお勧めする。
監督のM・ナイト・シャマランが、自分も出演してるとは知らなかった。コール少年が、友人の誕生パーティーで部屋に閉じ込められて錯乱し、病院に連れてゆかれた場面。母親の暴力を疑って、カウンセラーとの面談を勧めるインド系医師が監督自身。シャマラン一家は、両親も親戚もほとんど医者なのだそうで、アメリカに進出してくる典型的なインド系インテリの顔をしている。
製作前に、全編にわたって詳細なストーリーボード(絵コンテ)を事前に撮影している事にも感心した。かなり緻密な計算をしていないとああいう映画は作れない。監督はインド系のアメリカ育ちだが、「死は終わりではなく、霊は生き続けることを信じている」というインタビューでの言葉を聞くと、脚本にもそういう本人の民族的感覚がある程度は影響しているのではないかと感じる。
本編もついでに見なおしたが、作品そのものは、やはりよく出来ている。コール少年役のハーレイ・ジョエル・オスメントにもただ感心。アメリカンドリームというのは、成功者にも過酷であって、子役の時に大当たりした俳優は、必ずしも幸せなキャリアを送らない。オスメント少年が、親権と財産を争う両親の泥沼の訴訟合戦や、麻薬中毒や、アル中のワナに陥らないよう祈りたい。
ブルース・ウィリスについては、医者に見えないのが苦しいところだが、無名な監督の脚本を映画化するに当たって金を出す製作者側の条件が、有名俳優を保険として主演させることであったろうから、あれこれいっても始まらない。ただ、無名な俳優をウィリスの替わりに据えたなら、この映画は少し規模を小さくしたカルト的なヒットの仕方をしただろう。製作者にとっては儲けが多いウィリスで正解だ。
ただ、ブルース・ウィリスの妻役、オリビア・ウイリアムスは、物語のキイとなる重要な役だが、腰を据えて見なおすと、どうも平板な印象で、あんまり魅力が無い。もっと他の選択があったような気がする。もっとも最初から大物はブルース・ウィリスだけという低予算の映画だから、あまり有名な女優を使えなかったのが製作者の悩みだったろう。
キャスト紹介を読むと、彼女はイギリス出身でシェイクスピアの舞台経験もある演技派だそうだが、ケビン・コスナーによる、ケビン・コスナーのための映画、「ポストマン」で映画デビューしたらしい。「ポストマン」は見たが、彼女はあんまり印象に残ってないのが不思議。まあ、あの映画では、当のケビン・コスナーすら、あんまり印象に残らないのではあるが。 しかし、こう暑いと外出する気が失せる。ここ数日は、沖縄のほうが涼しいらしいが、サミットは沖縄で正解だったかもしれない。今の東京で会議なんかしたら、欧米各国の首脳はみんな怒りまっせ。あとはオットセイ森首相が国際的な大失言をカマさないように祈るばかりである。 |