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2000/08/01 「ミッション:インポッシブル」もDVDで見た

日曜に、「M:I-2」を見たら、前作との出来をチェックしたくなったので、DVDで「MISSION:IMPOSSIBLE」第1作を購入。ブライアン・デ・パルマ監督については点が甘くなるのはしかたないが、やはり、最新作より、ずっと第1作のほうがいい出来だ。映画の導入部からして、オリジナルのTVドラマをかなり意識して作っている。マッチをシュパっと擦ったアップから、あのお馴染みの音楽。懐かしいなあ。

そうそう、第1作は、劇場に行かずに、後でSkyPerfecTVで見たからか、すっかり失念してたのだが、ちゃんとTVシリーズを引き継いで、ジム・フェルプス役が映画に出てたのであった。ただ映画のフェルプス役、ジョン・ボイドは、見るからにクワセ者な感じがなんとも薄っぺらで、諜報の世界で生きぬいてきた重みを感じさせない。

オリジナルのピーター・グレイヴスが、まだ生きてるのかどうか知らないが、この映画にオリジナルの役で出演してれば、たいへんに印象的だったと思うがなあ。

世界をまたにかけるイーサン・ハントにしても、銀行口座はカラッポで、15万ドルの入金で敵への寝返りを疑われる。フェルプス役のジョン・ボイドが皮肉に語るのは、命を賭けた諜報活動に長年従事しても、定年になったら、年金6万5千ドルしか貰えない老後である。

もしも、すでに老境に達したTVシリーズのピーター・グレイヴスが、この映画にフェルプス役で出演していたら、エスピオナージ物にしては珍しく、スパイの老残と破滅を描いた印象的な作品になったと同時に、TVシリーズから映画シリーズへの引継ぎもうまくいってただろう。

しかし、第1作から、プロデュースにかかわったトム・クルーズは、あまりにも無情に、TVシリーズ懐かしの「フェルプス君」に汚名を着せて葬り去って、自ら演ずるイーサン・ハントに、「スパイ大作戦」の主役を引き継がせてしまった。

映画の「ミッション・イムポッシブル」は、(映画そのものではなく、その製作意図において)、ある意味、フレイザーの「金枝編」を彷彿とさせる、「王殺し」の物語でもある。

ま、だいたい、大スターが自らプロデュースしたり監督したりすると、「オレってカッコイイ〜」という自意識が、撮影のあちこちにちょっと鼻について、映画そのものの価値をダイナシにしたり、大笑いの(変な意味での)傑作が誕生したりするのだが、もしもこの調子で行くと、「ミッション・イムポッシブル3」が製作されるとすると、「傑作」が大いに期待できる。

プロデューサー、トム・クルーズ頑張れ!