昨日は午後からちょっと東急ハンズまで買い物。帰宅してのんびりしてたが、夕方にちょっと思いついて映画館に。車で5分のところにシネマ・コンプレックスがあるというのは、たいへん便利。しかし、引越しでバタバタしてたので、最近、どんな映画が封切されているのかサッパリ分からん。 TVCMを見た記憶があったので、ジャン・レノ主演の「クリムゾン・リバー」を見ることにした。250席あるのだが、5時50分の入場時間ぴったりに中に入ると、他に誰も客がいない。ここはつい最近できたばかりなのだが、こんな入りでシネマ・コンプレックスの経営は大丈夫なんだろうか。他人事ながら心配してると、後から数名の客が入場。貸し切りではなくなって、ちょっと残念。それにしても、電気代だけ考えても、この回は大赤字だろう。 上映が始まってから気づいたのだが、この映画はフランス製作。全編フランス語でやるので、セリフのほうは、まったく字幕のみが頼り。アメリカ映画に慣れきっていると、まあ、かえって新鮮ではあるが。 アルプスの麓にあるフランスの古い村と大学。ここで起こった猟奇殺人を追うパリ警察の警視役をジャン・レノが演じる。別の事件を追ううちにジャン・レノの捜査に合流する若手警部補をヴァンサン・ラッセルという俳優が演じているのだが、この俳優は、なかなか存在感がある。ジャン・レノは、相変わらずいつものジャン・レノで、とりたててよくもなければ悪くもなし。。 予備知識まったく無しに見たのだが、物語はなかなかテンポよく、アクションの要素あり、サイコ・スリラーの要素あり、山岳スペクタクルの要素ありで、なかなか快調に進んで行く。古い歴史を持つ大学で起こる連続猟奇殺人というと、なんとなく「薔薇の名前」の現代版という雰囲気もある。 「近親結婚を繰り返した家系」やら「悪魔に殺された娘」やらの話まで出てきて、ひょっとしてオカルトのほうに話が進むのかと思ったら、物語は終盤になって、急速にドタバタ展開してゆき、一応、盛りあがるものの、アレヨアレヨという間に終了。数え上げたわけではないが、どうも解決を忘れている伏線が残ってるような気分が残るのが、ちょっと気持ち悪い。 後でネットで検索すると、原作はフランスでベストセラーになった小説なんだそうだ。かなりあれこれと複雑な構成があるのは、映画からも伺えるが、シナリオにして100分でまとめるのは、ちょっと辛かったのかもしれない。 監督のマチュー・カソヴィッツ監督はフランス映画界の新星らしが、随所に凝ったショットがあり、ヘリコプターからの丹念な空撮も見事だ。アルプスを背景にした絵も実に綺麗。あんなところに住んだらいいだろうなあ。もっともチョット寒そうだが。車や建物や服装など、アメリカとはちょっと違ったヨーロッパの風景を映画のスクリーンで見るのもおもしろい。 映画全体のストーリーとしては、説明不足気味にアタフタ終わった感が否めないのが難点か。入場料金分はちゃんと楽しめたが、DVD出たら買うかと訊かれたら、多分、買わないだろうなあ。まあ、そんな感想であった。 帰宅してから、「ハンニバル」の文庫本を再読。本日の映画館でも予告編を見たが、クラリス役の女優は、原作の32歳という設定からすると、ちょっと老け顔ではあるが、なかなか原作の雰囲気に合っている。ジョディ・フォスターの交代ってところは、本人にもきついだろうが。 それにしても、果たして映画のほうも原作と同じラストにするのだろうか。ま、あれしかないと言われればそれまでだが、原作読まずに映画見に来た観客には、ちょっと不興を買うような気がするなあ。しかし、別のラストにしたら、今度は原作読んだ観客になんで変えたのかと不評を買う可能性もあるかもしれない。職人リドリー・スコット監督がどのように映像化してるのか、なかなか興味深いことではある。 |