米映画協会(AFI)が、ハリウッドの映画関係者1500人の投票で、映画のヒーローと悪役のベスト50を発表したというニュースがあったのは先週だったか。ヒーローの1位は「アラバマ物語」でグレゴリー・ペックが好演したフィンチ弁護士なんだそうだ。これは見たことないなあ。そうこうしているうちに、今週グレゴリー・ペックが亡くなったとのニュース。まだ健在だったとは。 ペックが活躍したのはとんでもなく昔だからあんまり印象がない。主演で覚えているのは最近になってDVDで見た「渚にて」という映画のみ。核戦争で北半球の国が滅亡してしまった未来。まだ放射能の影響が少ないオーストラリアに逃れてきたアメリカ海軍原子力潜水艦の艦長をペックは演じた。彼に思いをよせる女性にペックは、「今度、国に帰ったら妻にあなたを紹介します。きっと妻はあなたのことを好きになると思いますよ」と、とっくに滅亡したアメリカに残した家族に思いをはせ、妻がまるで生きているかのようにふるまい、任務をまっとうして死を迎える真面目人間を演じていたのであった。スクエアなWASPのひとつの典型というか。享年87歳。大往生ですな。 そうそう、英文のニュースを検索すると、ヒーローのトップ10は次の通り。 1. Atticus Finch (Gregory Peck), "To Kill a Mockingbird." ジョディ・フォスターのクラリス・スターリング捜査官(羊たちの沈黙)が6位というのは健闘ですな。「エイリアン」のシガニー・ウィーバーも。割と古い映画が多いなあ。「カサブランカ」とか。 でもってvillains(悪役)は次の通り。 1. Hannibal Lecter (Anthony Hopkins), "The Silence of the Lambs." ハンニバル・レクターが悪役に登場して、「羊たちの沈黙」はヒーローと悪役両方に登場。これはある意味凄いことである。実は、It's a Wonderful Lifeからも、ジェイムズ・スチュアートとライオネル・バリモアがヒーローと悪役のトップ10に登場。しかし、この映画は見たことないのだなあ。 「ダース・ベイダーが3位に登場しているが、「スター・ウォーズ」からはハン・ソロが14位で、トップ10両方制覇は惜しくもならず。しかし、「カッコーの巣の上で」のラチェット婦長が悪役の5位というのは、なんとも気の毒な気が。真面目に仕事やってただけといえばその通り。患者のジャック・ニコルソンも相当ワルだったのだが。エクソシストのリンダ・ブレアが9位というのも、憑依されただけなのに、なんとなく気の毒である。ふむ。 |