水曜の夜だったか、TVで映画「ピンポン」を見た。邦画は普段ほとんど見ないし期待してなかったが、予期に反してなかなか面白い。映画の冒頭、主人公が橋から飛び降りる場面。時間をストップさせ、上空から橋を潜り抜けて行くような視線移動を一気に行うCGには実に感心。卓球シーンにおいても、スピード感あふれるボールの動きはすべてCGで製作されているようだ。日本映画がここまでできるとは思わなかった。 ドイツでは卓球のプロ・リーグがあるが、日本ではまだまだマイナーなスポーツ。しかし、そういう素材を選んでもちゃんと面白い映画に仕上がっているのは、漫画の原作がよほどキチンとしてたのだろう。人物設定や性格描写もやや類型的とは言え、よくできている。若さゆえの焦燥や挫折、そして希望。フラッシュバックする少年の記憶。誰しも記憶のある懐かしい青春の一断面が、この映画には鮮やかに切り取られているのだ。 中村獅童はなかなか存在感あり。卓球場のオババ役、夏木マリは久本雅美かと思ったが、これまた印象的。「ヒーロー」は窪塚洋介。あまりに奇矯な役なので、逆に地でやれてアラが目立たないのだが、冷静に観察すると演技はとても上手いとはいえない。しかし妙な輝きがあるのもまた事実なのであった。そういえば実生活では9階の自宅から飛び降りて大怪我したそうだが、助かったというのも奇跡的。仕事にも最近復帰したらしいが、頭への衝撃でちょっとは正気に戻ってるのだろうか。 |