日曜午後は、銀座に出て「シン・シティ」を見た。今週一杯でこの劇場での公開は終了。あんまりヒットしなかったのかも。アメリカン・コミックを原作とした映画は、日本ではイマイチ当たらない。スパイダーマンもアメリカでは誰も知ってる人気者だが日本ではサッパリ。 シカゴ北西郊外に住んでた時、地元の新聞を取ってたのだが、エンターテインメントの部か何かの後ろに連載コミックが掲載されていた。トレンチコート着た主人公がなにやらドタバタやってるのだが、毎回1枚程度ではほとんど話が進むはずもなく、いったい何が何やらいつ見てもサッパリ分からなかったなあ。 この映画はフランク・ミラーの原作コミックを、本人がロバート・ロドリゲスと共同で実写にて映画化したもの。登場人物のセリフは、まさにコミックスの吹き出しのよう。ブツ切れになったワン・センテンスが速射砲のように繰り出される。場面転換も早く、余計な説明はすっ飛ばして目まぐるしくストーリーが展開するのもまさにアメリカン・コミックスの世界そのもの。 全編に渡って暴力過度。しかし、画面がほとんど白黒だったり、血が黄色だったり、リアリズムというより様式美の世界。よく見るとやってることは「時計仕掛けのオレンジ」が子供じみて見えるほどのウルトラ・バイオレンス。しかしショックはなく、むしろ映画後半では食傷して飽きるくらいなのは、コミックの実写版として戯画と化したどこか現実味のない映像だから。特別監督として、クェンティン・タランティーノがちょっとだけ参加しているのだが、全編に渡って「キル・ビル」を思い出すテイスト。「キル・ビル vol.3」と称しても違和感なし。架空の犯罪都市、シン・シティで「運命の女」を巡る男達の数奇な争いを3話オムニバスで。独特な雰囲気を持つ、スタイリッシュなオトナ向けムービーに仕上がっている。 ミッキー・ロークは、顔の特殊メイクもあるのだが、体格が引退したヘビー級ボクサー風で、最初は誰か分からなかった。ひょっとしてルトガー・ハウアーかと思ったが、ハウアーは後に出てきてもうだいぶオジイであることを発見。しかし、ロークも昔、ボクサーとして来日してヘナチョコな試合見せた時は、せいぜいミドル級という印象であったのだが。「ロード・オヴ・ザ・リング」のフロド役、イライジャ・ウッドはアッとびっくりサイコ・キラーの物凄い役。しかし、眼鏡を光らせて出てきた時は、すっかりハリ・ポタの眼鏡の彼と混同してしまった。ま、しかし、シリーズの新作が公開されるのに、ハリ・ポタの彼がサイコキラー演じたりしないよなあ。はは。 「キング・アーサー」で主役張ってた男優(名前失念)も好演だが、このエピソードでは女達が凄い。デヴォン・アオキも実に印象的。ブルース・ウィリスのエピソードが一番ダルいかもしれない。あの黄色い顔の化け物みたいな男の顔は、どこか別の映画で見た誰かとそっくりという気がしたのだが、思い出せず。 |