昨日の夜は、アカデミー受賞式をTVで。アメリカで見るのも実に久々。Wikipediaにも、すでに79th Academy Awardsという記事がアップされているのだが、ボランティアで更新する人も凄いもんだよなあ。 「Mistake」の項目では、「ディパーテッド」の解説で、元ネタの「インファナルアフェア」が香港映画なのに日本映画と間違えたとか、ペネロペ・クルスの出身について、スペインではなくメキシコと間違えたなどの小ネタも掲載されている。しかしまあ、普通のアメリカ人にとっては、日本と香港は、ほとんど区別つかないかも。スペインとメキシコくらいはさすがに判別つくとは思うのだが。 渡辺謙はカトリーヌ・ドヌーブと一緒にプレゼンターとして舞台に登場するなど堂々たるもの。もっともやはり「外国人枠」での登場という印象ではある。 Jennifer Hudson がアカデミー助演女優賞。この人は初めて見たが、素人タレント発掘番組「アメリカン・アイドル」できっかけをつかみ、「ドリームガールズ」のオーディション合格して出演し、大人気となったのだという。まさしく絵に描いたようなオーバーナイト・サクセス。このアメリカン・ドリームの爆発力には、やはり菊地凛子も勝てないのであった。こちらの新聞でも一面にデカデカと記事が。なんでも地元Chicago出身なんだとか。なるほどねえ。 最優秀ドキュメンタリーには、アル・ゴアが訴える地球温暖化防止を扱った「An Inconvenient Truth(不都合な真実)」が。ゴアはしかし、昔と比べるとずいぶん太った。Global warmingも問題だが、Personal Growingもなんとかしたほうがよいんじゃないか。「地球温暖化はもはや政治的な問題ではない、モラルの問題だ」とゴアのスピーチ。最近、「地球温暖化仮説」に反対する本を2冊ばかり読んだのだが、懐疑論に逆に懐疑的になり、地球温暖化は実は本当ではないかと思い始めてきたところである。 「An Inconvenient Truth」DVDのパッケージには、「温暖化防止のために我々が出来る10のこと」、という提言が記載されている。内容は、「電球を止めて蛍光灯にしよう」、「車を使わずにもっと歩こう」、「もっとリサイクルしよう」、「タイアの空気圧を適正に」、「使うお湯の温度を下げよう」、「過剰包装を避けよう」、「エアコンの設定温度を控えめにしよう」、「木を植えよう」、「無駄な電気は消そう」など、実に異論のないごく当たり前のことばかり。確かに政治的な提言ではなく、むしろ日本人なら「もったいない」の精神と理解できることしか提言していない。ただ、この当たり前のことが、世界一のエネルギー浪費国アメリカではちっとも当たり前ではないことこそが大問題。やはりアメリカ人にこそ、もっとこのDVDを見るように薦めたいな。 「Best Original Song」には、同じく「不都合な真実」の主題歌、Melissa Etheridgeの歌う"I Need to Wake Up" が。女性の歌手なのだが、受賞のスピーチで、「Thanks to my wife」と語るのでちょっとびっくり。客席の「奥さん」もキャメラが捉える。この人は、Wikipediaによると、同性婚を実践するゲイ・アクティビストなのだそうである。番組中では分からなかったが、司会進行を勤めたEllen DeGeneresもゲイなのだそうだ。なるほど。アメリカに住んでこんなことでビックリするようでは、まだまだ修行が足りませんな。はは。 主演女優賞の Helen Mirrenは、確かに「QUEEN」でのエリザベス女王がハマリ役。名演ではあったから順当な結果。主演男優賞のForest Whitakerは、まあ、一発芸がツボにはまって当たったという感じだろうか。監督賞のプレゼンターに出てきた、コッポラ、ルーカス、スピルバーグ3名は、まるでかけあい漫才のようなスピーチ。そういえば、ルーカスは監督賞獲ってなかったか。アカデミーは昔からSFには冷淡である。 最優秀監督のマーティン・スコセッシは、「タクシー・ドライバー」、「レイジング・ブル」、「キリストの最後の誘惑」など幾多の名作があり、ずっと昔にオスカーを手にしていても決して不思議ではなかったのだが、ようやく念願を果たした。作品賞も同監督の「ディパーテッド」。予告編しか見てないので、そんなに凄い作品かどうかは分からないが、全編日本語の「硫黄島」がオスカー取るには、いくら監督がクリント・イーストウッドとはいえ、少々無理があったかもしれない。 しかし、音楽やら編集など含めた全ノミネーション映画の中で、私が見たことあるのは、「Letters from Iwo Jima」、「An Inconvenient Truth」、「Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest」、「The Queen」の4本だけだから、その点では実に語るにおこがましい話なのであった。紹介されるショットを見た限りでは、「Pan's Labyrinth」というのはなかなか面白そうだったが、アメリカでもDVDはまだ出ていないようだ。 |