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1998/11/07 「ボルケーノ」を見る

午後から暇つぶしに、PerfecTVのPPVで、トミー・リー・ジョーンズ主演の「ボルケーノ」を見る。LA近郊の火山の活動が活発化し、街の公園の直下から噴火が起こり、地下鉄線路を辿って住宅地へ溶岩流が迫る。これと戦うLA危機管理局長に扮するリー・ジョーンズとその部下達を描く、自然災害パニック物。

ま、しかし、どちらかと言えば、まだ「ダンテズ・ピーク」のほうが見ごたえあったかな。リー・ジョーンズはいい俳優だが、あんまりストレートなヒーローには向いていないように思う。ヒネたアンチヒーローを演じたら、とても味のある役者なんだが。

ストーリーにしても、LAのど真ん中に出現した大自然の溶岩流を、人間達が、立場や人種を超えて全員で協力して、せき止めて海に流しました、ハイよかったね、って、振りかえれば、実に簡単なもの。しかし、大自然の猛威に、ブロック並べて消防車で放水したり、ビル倒してせき止めたりで対抗できる、ってのがいかにも能天気な感じがする。

あちこちで、街を救う為に自分の命を捨てる自己犠牲のシーンなんてのも挟み込まれているのだが、どうにも設定が平板で、胸打つような緊迫したドラマが無いから、あんまり効果的ではない。さすがのアメリカ人も、このストーリーに感心するほど甘くはないと思うんだけど、実際の興行成績はどうだったんだろうか。

もっとも、LAの市街から噴煙が立ち上る俯瞰のショットは、実に異様で、視覚的には非常に印象的なシーンだ。本当にこんな事が起こったら大変だが、実際にイタリアのポンペイなんて町は、遠い昔に、火山の噴火で一瞬にして灰の下に埋まってしまったのだから、決してありえない事ではなさそうだ。日本でも、ずいぶん前に富士山が噴火するなんて説を唱えてた琉球大学の先生がいたけど、あのオッチャンはその後、どうしたんだろうかねえ。