「ブルーベルベット」</a>を見る。これはずいぶん前にビデオで一度見た。最初のシーンからして、デビッド・リンチがいかにも変わった性向を持つ独特なセンスの持ち主であることは明確だが、暗い画面や、照明やカット割りに、リンチ独特の沈み込んだ妙な趣きがある。
そういえば、アメリカでTVシリーズが大当たりした後は、リンチ監督も、すっかり名前を聞かないような気がするが、最近はどうしてるんだろうか。
主人公と一緒に、好奇心から事件に巻き込まれて行く高校生を演じてる女性になんとなく見覚えがあったが、そうそう、その後、ジュラシック・パークに出てたよなあ、生物学者の役で。昔の映画を見ると、その後で知った俳優が意外なのに出演してたりして、なかなかおもしろい。
デニス・ホッパーが、粗暴で、サディストで、マザコンで、オールディズ・ポップス・フェチで、麻薬中毒で、バイセクシャルの殺人鬼という、「変態のデパート」のような男を怪演している。それにしても、本当にこんな奴がいたら凄いよなあ。
しかし、こういう奇想天外な人格が、それなりに説得力を持って迫ってくるところが、やはりホッパーの底力というか、他では得られない存在感というものだろう。地でやってるから、という説もあながち間違いではないかもしれない。