会社帰りに「鮨処 しみづ」。 いつものように、日本酒を常温で一杯。突出しは、菜の花。もう春の香りですな。まずツマミを。タイは腹身をスダチ塩で、背のほうは、軽く炙ってから切り身に。これがなかなか結構。タコ。旨みと香りが十分。これも塩で。 アワビ。とは書いてあるが、トコブシ。「ま、マガイ物ですが、ライト感覚で」と親方はニヤリと笑う。そう、アワビのような、コクのある滋味はないのだが、これはこれで、まあ美味い。ここでお酒もう1本。 焼き物好きの親方は、とっくりにも凝ってるのだが、ここのは1合以上たっぷり入る。他の客に赤身ヅケ握りを出すところをジッと見てたら、端っこの一切れをくれた。よほどモノ欲しそうに見てたのかね。ははは。 まだお酒がありますか、と、コノワタが出る。清冽な海の香り。漁港のような嫌な匂いではなく、あくまで清浄な潮の香りがするのが不思議だ。最後にシャコをつまんでから、お茶に切り替え。握りに移行。 カスゴ。春子鯛と書く。近海ものの小鯛。軽く酢で〆てあり、オボロを挟んで握る。身が柔らかいので、仕込みが大変らしい。江戸前伝統の春のタネだ。 あとは、いつも通り、コハダ、穴子、カンピョウ巻きで〆。 |