予約した時間に店に入ると、親方は、「いや〜、お待ちしてました」、と笑いながら種札を指差す。久しくラインアップから外れてたシマアジが、本日は入荷してるのであった。先日、シマアジのことを聞いたので、覚えてもらってたようだ。 9割9分が養殖の魚だが、ここが入れるのは数少ない天然物。本日は新島産。仕入れたのは今年初めてだが、初荷にしてはたいへん質がよいとのこと。 定説ではシマアジの旬は夏。しかし、親方によると、春先や秋口のシマアジのほうが身が締まっていて美味い気がすると言う。口中で跳ねるような活きのいいツルンとした切り身。上品で癖が無く淡い脂が口中で溶ける。そういえば、この店でシマアジにつくづく感心したのも、去年の秋口のことだった。 続いて九州のタイ。これも実に結構。ツマミが頼まずともポンポン出てくる。タイのアラ酒蒸し、ミル貝、ハマグリ、青柳串焼き、コノコ塩辛、ウニのお吸い物。ここでお茶に切り替えて握り。 中トロ、コハダ、カスゴ1貫、アナゴ、カンピョウ巻で〆。 |