昨日の夜は、ブラリと銀座新富寿司に。 特に予約はしてないが、土曜の夕方はガラガラである。半端な時間には、いつもつけ場に立っていた年取った握り手は、本日はいない。ひょっとして引退したのかな。 冷酒を頼んで、まずツマミを切ってもらう。白身はスズキ。涼やかで淡白な夏の白身。ただ、やたらに醤油が甘く感じる。前からこんな醤油だったっけ。 次に、シマアジ。これも品のよい脂。切り身がブロック状に切ってあるのは珍しいかも。カツオは、ショウガとアサツキ入れたポン酢で。これもなかなか結構。アジは、〆たのではなく生を頼む。皮目に細かく賽の目に包丁を入れてきた。これも脂が乗って、実に美味い。 アワビは、次郎やら鶴八系にある塩蒸しではなく、砂糖と醤油で煮た、いわゆる煮貝。昔ながらの仕事であるが、そう分かって食べると、これはこれで滋味深い。 ここらでお茶に切り替えて握り。頼めば1貫づつでも握ってくれる店だが、私の流儀は2貫づつ。まず、中トロ。これはまあまあ。 コハダは新子が入っている。そう、ここは必ず新子を置いてあるはずと踏んで、本日やってきたのであった。食べるのは今年初めて。 頼むと、1貫に5匹付けという、凄いのが出てきた。いやはや、こんなに小さいコハダにはお目にかかったことないな。これほどメダカのように小さいと、コハダ本来の旨みはない。軽い立て塩と酢で〆た身は薄く、口中ではすぐに溶けるよう。仄かな香りだけが口中に残る。初夏にだけ出る、江戸前寿司の風物詩。それが季節物のよいところ。季節を食べるようなものか。 その後は、アナゴ、カンピョウ巻で〆。 銀座新富寿司は、職人もおとなしく(悪く言うと、かなり陰気な感じなのだが)「次はナニを握りますか」と客をせかせない。無言で客のペースで放っておいてくれる、なかなか居心地よい店である。 もっとも、同じ銀座でも、「久兵衛」や「なか田」、「寿司幸」、「青木」などといった、超高級接待向け店のように、至れり尽せりで、職人が愛想よく気を配ってくれることもない。タネ札もかかってないし、ある程度知識がないと使いづらい店ではある。まあ、そこがいいところなんだが。 部屋に戻り、のんびりと本読んでると、夜の10時前に地震でかなり揺れる。ここに引っ越してきてからは、一番大きな揺れで、ちょっとびっくりした。本日もグータラ過ごす予定。 |