昨日の夜は、上野毛、「あら輝」。5時半に入店すると、まだお客は私だけ。まず、志太泉を冷で頼んで、最初の1杯を飲んでいると、親方が、「堀内さんの日記読みましたよ」と笑う。これにはビックリ。この店には、あら輝のホームページがあって、ネットに接続してるのは知ってたが、検索サイトで、このページの過去ログがヒットしたらしい。 確かに、Googleで「あら輝」を検索すると、なぜか、うちの過去ログやらBBSがやたらに何件もヒットする。「おかげさまでお店の宣伝になります」などと言われて、なんだか恐縮。もともとが素晴らしい店だから、基本的にはよいことしか書いてない。まあ、ご当人に読まれても不都合はないのだ。 寿司屋談義などしながら、まずツマミを。タイは、横須賀鴨居で上がったという。夏は本来のシーズンではないというのが通説だが、脂も乗って美味いのである。アジも結構。房総のアワビは、塩蒸しにしてあり、切り身が白木のカウンタに置かれたとたん、海の滋味をすべて含んだような馥郁たる香りが確かに「立つ」。これも素晴らしい。 徳島からだというサバも美味し。これも時期外れというのが定説だが、なかなかどうして結構である。素材の美味さを吟味して仕入れしている親方の研究ぶりが分かるようなタネだ。 北海道噴火湾のマグロ赤身、ウニとイクラ、アオリイカ炙り。スミイカの新子は使うのか、ふと興味があって尋ねると、別の客用に隠してた(?)のを出してきてひとつくれた。なんでも言ってみるもんである。ははは。確かに小さいが、淡いながらも、久しぶりのスミイカのネットリ感と甘味がしみじみと感じられる。 このへんで握りに。まずいつも通り、マグロが次々と。マグロも素晴らしいが、相変わらずシャリが美味い。本日は、ちょうど他のお客さんとのタイミングも合って、酢を合わせてからほどなく握りに移行したのも、更によかったか。銀座「ととや」の赤酢のシャリにも感心したことがあるが、寿司飯については、東京の寿司屋では、「あら輝」が一番素晴らしいと思う。 コハダは新子。〆具合が絶妙。カスゴは小さめ。これも実に軽く〆てあるが、フックラと淡い脂が引き立って素晴らしい。エビはその都度茹でる丁寧な仕事だが、ここの酢飯と実によく合う。アサリ、アナゴも、実に結構。イサキとアオリイカ(塩)と食べて、実に堪能した。 駅までブラブラ歩く帰り道の幸福感を考えると、かなり遠いとはいえ、やはり訪ねる価値のある店だ。寿司もサービスも素晴らしい。もう、すっかり定期的な巡回ルートに入ってしまった。 |