日曜の夜の事を書き忘れたので、遅れ馳せながら。夜は、西大島「與兵衛」。1月に来て以来だから1ヶ月ぶり。とりあえず、酒は「開運しぼりたて」を。なかなかコクがあって美味い。 最初はいつも通り、突き出しが1皿に盛られて。カキ煮びたし、エビ頭、ホタテ、イカ耳、タラの白子。いずれも火が通って味がついてるのだが、素材の質を活かし た味つけで実に結構。タラの白子は初めて。カキはいつもながら素晴らしい。 シマアジとサバのアラ煮。ハマグリ、ホタテ、アナゴを煮た煮汁を混ぜて更に煮るのだとか。この煮汁で雑炊したら最高だと親方が言うが、確かにそうだろうなあ。もっとも、それは賄い料理であって、寿司屋に来て客が雑炊頼むわけにもねえ。はは。 2本目からは普通の「開運」。ツマミをもうちょっと所望。 ヒラメのゴマ酢ヅケ、シマアジの甘酢ヅケ。そして、サバ、シマアジ、エビ、シソを海苔で巻いたものが出てきた。どれも素晴らしい。ここのツマミは頻繁だと飽きるが、しばらく食べないと、どうしても食べたくなる。不思議だなあ。 このへんでお茶に移行して握りを。キハダマグロのヅケ、ヒラメの酢〆。酢飯はやや固めで淡い味付け。しかし、ご飯の一粒一粒はふっくらして、種と一緒にかみ締めると実に美味い。シマアジはヅケにした後、皮目を炙って香りを引き出してある。小口に薄く切ったものを何枚か重ねて握るのもこの店の特徴。 北寄貝の甘酢づけ、平貝、イカと続く。エビはここの酢飯に実によく合う。サヨリは脂が抜けてくるので、今月で終りだとか。塩と酢で〆てあるが、淡い脂を引き出す軽い〆具合が最高。コハダも、〆はやや軽めだが、魚の脂と旨みを引き出す必要十分なところで寸止めしている具合が素晴らしい。サバもしっとりと脂が乗って。 ハマグリも柔らかく、旨み十分。アナゴは沢煮風に、ほとんど色がつかない白い煮方だが、これまた実にふくよかに柔らかく仕上がっている。最後に玉子をもらって終わり。どれも素晴らしかった。煮たり〆たりした寿司種だけだから生の素材は普通でよいなんてのは間違いで、仕事するからこそ最高の素材を求めなければいけないのだ、とは親方の弁であった。 隣のにぎやかな夫婦2組は、ゴルフ帰りのようだが、話を聞くともなく聞いてると、ひとりの女性は、伊丹十三の映画に出演したことがあるらしい。横顔を伺うに、ずいぶん昔に、なんかのセクシーグループの一員としてTV番組なんかに出てたような。なるほど。 |