夜は気分転換に、いつもとは違う寿司屋に。11月に初訪問したが、それからずっとご無沙汰してた桜新町「喜与し」。駅から出て、土砂降りの雨の中を徒歩5分。 相変わらず、テキパキと愛想よく店をしきる親方。お酒を冷で頼んで、ツマミはおまかせで。量は少しずつなので結構品数あっても入ってしまう。まず切ってきたのは白身。ヒラメとシマアジ。シマアジは、軽く塩を当てて水分を抜いてるような気がするが、ちょっと不思議な色ツヤと食感である。ヤリイカは軽く肝をまぶして。ついで塩蒸し。大きさからするとトコブシか。煮汁と一緒に供されるが、香りはあんまり立たず滋味にもやや欠ける。まあ、夏のアワビと比較してはいけないが。 時間に遅れた客から店の場所問い合わせの電話がかかる。初めての店に来るのに、場所もロクに調べずに最寄の駅まで来て、そこから電話をしてくる奴ってのは、他の寿司屋でも結構多い。そういう客に限って時間には遅れる。注文はあつかましい。やはり、行動様式が同じ心の働きから来てるのだろう。 白魚はキュウリ千切りと一緒に。ホウボウつけ焼きは、アッサリとした脂が乗って美味い。タコを塩で。最後にアナゴ生地焼き。軽い醤油味でパリっと焼きあがった小ぶりのアナゴだが、山椒かけて食すると、しみじみと美味い。銀座小笹でも感心した、伝来の必殺技である。このへんで握りに。 まず、ヒラメ昆布〆。ツマミの後だから、握りはかなり小さくしてある。中トロ、赤身のヅケ。どちらもなかなか美味い。スミイカの後は光り物。コハダはやや軽い〆。アジとサバは、これまた小笹系独特の青ネギの叩きを載せて。ペースト状になるまで叩いた青ネギからは、不思議なことにニンニク系統の香りが立ちあがってくるのだ。酢飯は、前回と比較するとやや柔らかく、ちょっと甘い気がした。貝類は、ハマグリ、アオヤギ、赤貝と貰う。最後にまたアナゴ。今度は生地焼きのタレではなく、素焼きしたのにツメをつけて。これはこれでまた味が変って結構。最後にカンピョウ巻で〆。海苔の香りよし。特に何も言わなかったが、腹具合を見てか0.5本分にしてくれた。このへんの目配りと腰の低い接客ぶりが、この親方の優れたところ。 お酒3本で、勘定は1万2千円をちょっと割る。このへんも実にリーズナブルな店である。 |