MADE IN JAPAN! 過去ログ

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2003/05/04 中野坂上 「さわ田」訪問。

グータラしつつも、寿司屋巡回したりDVD見たりしてるので、感想などを日記に書くほうが間に合わないわけであった。

土曜日の夜は、中野坂上 「さわ田」訪問。前回から1ヶ月以上開いてしまった。

酒は「麒麟山」を冷で。ワサビの葉に乗せて、まずツマミがどんどん出される。突出しは甘味のある小柱。白身はマコカレイ。初夏を感じる軽い上質な脂。アオリイカ。醤油皿以外に塩の小皿が出される。種が上質だと、なんでも塩になってしまう気が。田舎味噌とミョウガがツマ代りに。

キス昆布〆はごく軽い〆だが美味い。塩蒸しアワビは伊豆産だとか。大変に立派な身で香りも旨みも十分。大きな固まりがゴロンと。隣の男性がこれを醤油にドブンとつけているのを見てビックリ。ま、好き好きではあるが、微妙な香りと凝縮した旨みがフッ飛んでしまうと思うがなあ。トリ貝は、まな板に載せたとたんにキュルキュルと身が縮んで丸まってしまう新鮮さ。こんな鮮度のはあんまり見たことない。半分は生で、半分は塩を振って炭で炙る。

アジも結構。殻つきのウニは、半分は生で、半分は炭火で焼く。アワビ肝とアワビ煮汁。カツオのスモークは、やや軽めにしたとの事。それでも隣のカップルは、まるでハムのような香りだとビックリしているから、この程度で留めておくのが正解かも。きついスモークも、あれはあれで病みつきになるのだが。平貝を炭火で炙り、七味をふって。平貝もそろそろシーズン終わりだが、旨みが熱で凝縮されて実に結構。ツマミがたくさん出るのだが、種も供し方も、前回とあれこれ違った趣向があり、親方の研究熱心さが分かる。

ツマミをひととおり堪能して握りに移行。ヒラメ昆布〆、シマアジ、カツオ。酢飯の具合は、ツヤツヤとスッキリした具合に仕上がっており、相変わらず素晴らしい。コハダにはオボロを挟む。〆具合も良好。赤貝も肉厚で立派な身。マグロは短い時間煮切りにつけた簡易ヅケと中トロ部分を。後半では、カマ部分の大トロを握った後で上から網に載せた炭火で炙る。明らかにフジタ水産と分かる素晴らしいマグロである。

立派な車エビは握る寸前に茹でる。尾の部分に挟むエビ頭のペーストは、市場でエビの頭だけを分けてもらって煮詰めてるのだとか。頭の部分にはミソがあるが、尾のほうは淡白なのでそれを補う工夫。細かいところにも手がかかっている。ハマグリも立派な身を浅い漬込みで。ハマグリの煮汁から共ヅメを作ってるというが、ここまでやってる寿司屋は少ないだろう。アナゴは脂が多いので炙らないとのことだが、炙らないほうが確かに雑味が混じらず美味い気がする。煮上も味付けも実に結構。玉子も山芋が馴染んで結構な焼き具合。最後にカンピョウ巻。カンピョウはしっかりした味付。ただ、やや塩辛さが勝ちすぎている気がした。

飲んで食べて、2時間半の滞在で、勘定は1万7千円。値段については、この小さな箱で最上級の素材を使おうとするとある程度やむをえないか。回転をよくする方向もあるが、夜の2回転10名だけに焦点を絞っているからこそ、仕入れも最上質のものを選べるし、仕込みにも素晴らしい仕事がなされている。仕事の質を落とさずに、さばくお客を増やすのにも限界があるだろう。ツマミについても毎回同じではなく工夫がある。寿司種の仕込み仕事に関しても着実に細かい点が改善されている印象。寿司種の何を尋ねても的確な答えが返ってくるのも親方の研究熱心さを物語っている。毎回、新たに感心するところがある伸び盛りの寿司屋である。