一昨日の夜、寿司屋に行った夢を見た。驚いたのは夢の中で口にしたマグロの味をきちんと感じたこと。夢の中で味を感じたのはこれが初めて。寿司屋通いも病膏肓に入ってきたか。はは。 そういう夢見たからでもないが、昨日の夜は、築地本願寺近く「鮨 つかさ」訪問。仕事が終わって電話すると、相変わらず元気のいい親方が、席は空いてますと2つ返事。さっそく訪問すると、7席あるカウンタには先客の2名連れがいるだけ。予約せずとも席が空いてるのは便利だが、経営が心配になるような客の入りである 。 まず白鷹を常温で。ここの親方は、一人で店を切り盛りしてるのだが腰が低く、酒を頼むといつも最初の一杯は自ら注いでくれるので恐縮。つきだしはカズノコ。 ツマミをおまかせで。白身はホシカレイ。3日寝かせたとのことだが実に上質。香り高く滋味深い。タコは悪くないが、まあごく普通。塩で。アジは実に脂が乗っている。シャコは半分ツメをつけて。白イカゲソは炙って塩。ツマミでもらった中トロは、部位によるのかもしれないが、旨みとコクがさらりとしている。アワビは当日茹でたばかりであまり味が落ち着いてないとのことだが、芳醇な香りは素晴らしい。アサリは軽く火を通して漬け込みしてるのだが、身が大きく実に結構。 このへんでおまかせで握りに。煮切を塗って1貫づつ。白イカはスミイカとは違ったネットリ具合だが甘味がある。シマアジは養殖物とは明らかに違う、あっさりとツルツル口中をすべる脂で美味し。中トロはスッキリした酢飯とよく合う。コハダは〆がやや浅いとのことだが、これはこれで面白い具合。アナゴは炙って塩で。最後にカンピョウ巻きでおしまい。 終わりかけに入ってきた常連らしきオヤジは、親方がホシカレイを出すと、「なに、これは干してあるの?」と質問。以前、「あら輝」でも同じ事を聞いた客がいたらしい。ホシカレイは、あまり市場に出ない高級魚だが、出したほうはガックリくるだろうな。ははは。 おまかせでツマミを頼むと、なかなかよい魚が出てくるが、かといってどの客にでも上物一本槍で営業してるのではないようだ。夜にフリの客がそれほど入る店でもない。混んではいないが、お客には顔なじみが多いようだ。お客のニーズに合わせ、阿吽の呼吸で出す物を変えて、リーズナブルな値段に押さえている営業といった雰囲気。よい鮨種も置いてあるし、握りも結構。もうちょっと流行っても不思議でない店。ただ、確かに地味な店であることは事実なんだなあ。 |