昨日の夜は、仕事も早く終わったので築地の「鮨 つかさ」で一杯。会社を出てから電話したら空いていた。もっと繁盛してもらいたい店だが、思いついた時に電話して空いてるのはありがたい。 7時前にのれんをくぐると、お客は私だけ。外を手伝う女性を新しく雇ったようだが、今日は予約ゼロとのこと。「おかしいですねえ、昨日なんかはもっとパラパラお客さんが見えたんですが」と親方。私が行くときはいつも店はガラガラ。貧乏神のよう思われてもイヤだな。はは。 蒸し暑いので菊正の瓶詰冷酒を。つきだしはタコ桜煮。歯ごたえはイマイチな気がするが香りがよい。つまみはおまかせ。最初に切ってもらったのはマコカレイ、シマアジ、小柱。マコカレイは歯ごたえよく身に旨みあり。シマアジも天然物特有の軽く爽やかな脂。 「月曜日に、堀内さんのページを読んだというお客さんがおひとりで見えましたよ」、と親方。ほお。寿司経験値(?)の高そうな女性だったらしいが、店の売上拡大に微力ながら貢献できて光栄なり。ははは。 今日は、アジの酢〆があるという。後で握ってもらうことに。ツマミには生のアジを。これも脂が乗って素晴らしい。 久しぶりにいいのが入ったというカツオをカラシ醤油で。脂の薄い背側の身で、カラシに負けるかと思ったが、予想以上に旨みが濃く、たいへん美味い。今年のカツオは、房総はダメでも三陸が比較的よいのではと親方。イカの塩辛は、ランチ用のスルメイカのワタで本日仕込んだばかり。まだフレッシュでイカの肝合えといった印象。 マグロは脂のある部分をツマミに。これも定置網。50キロ程度の小ぶりのものらしいが、コクがあって美味い。アナゴをツマミで。梅雨時はアナゴに脂が乗ってグンと美味くなってくる。海がしけており、本日はアワビが無かったとのこと。ウニは橘印のいわゆる白ウニ。 この店のワサビは、いつも小さくてあんまり迫力ないなと思っていたが、聞いてみるとあえて選んでネットリした御殿場産の小さいのを入れてるのだとか。材料費節減で小さいのにしてるのかと思ってたが失礼した。 ほろ酔い加減で握りに移行。白イカ、マグロ、アジ。昔は夏場にはコハダが種札から消え、酢で〆たアジというのが常識だったらしい。古い仕事であるが、脂の乗ったアジを塩と酢で〆るとこれが美味い。銀座新富寿司の入り口側に立っていたジイサマの職人は、酢〆のアジを誉めると「昔はみんなこれだったんです」と相好を崩していたもんだったが。 アジ2貫目は小ネギの小口切りを挟んで。ちょっと小笹寿しを思い出させる薬味であるが、あそこまでは叩いていない。コハダは酢が枯れた具合のもの。シャコの次は握る直前に茹でる江戸前のエビ。ミソが美味い。最後にアナゴ、カンピョウ、卵、おぼろを巻いた中巻きで〆。店が空いてたので、親方とずっと寿司談義しながら堪能した。 帰り際、週刊ポストに「しみづ」さんが出てましたよと聞いたので、帰宅途中のコンビニで立ち読み。アナゴの中巻き。これは先日、「しみづ」訪問の時に、「たまにはこういうのもいいでしょう」、と親方が作ってくれたのと同じだ。ははあ、あれは取材の後だったのかと納得。もっとも、アナゴは海苔巻きもよいが、やはりツメ塗ったのが一番かも。 |