日曜夜は西大島「與兵衛」巡回。「十四代」冷で飲みつつ、まずいつもの付きだし。もう1本飲んで更にツマミを追加。中トロヅケの炙り、漬け込みのシャコ、ホタテ煮びたし、ヒラメ縁側の甘酢漬け、酢〆にしたイワシとサンマをバーナーで焼き霜にしたものなど、どれも実に美味い。 先日この店で隣に座ったお客さんから後でメール頂いたと話すと、そういえば、堀内さんのページ読んで来た人が前にもいましたよ、と親方が。「しかし、インターネットというのも怖いもんで、「東京レストランガイド」なんて結構ウソ書いてますからね」と続ける。 「醤油を頼んで断られた」と誰かのレビューに書いてある。確かにこの店はツマミにはすべて味がついてるし、握りには煮切を塗る。カウンタには醤油差しは置いていない。しかし親方は初めての客には最初に「お醤油必要でしたらおっしゃってください」と必ず声をかけている。「醤油をくれ」と言われて断ったことなんかないのだそうだ。どうしても醤油をドップリつけたかったが言い出せなかったお客が脳内妄想でレビュー書いたのだろうか。 「どれも同じ味で飽きる」と書いてあるレビューもある。しかし、この店でツマミをもらうと分かるが、甘酢につけたり胡麻醤油につけたり、コーヒー煮にしたり。醤油でヅケにしてから炙ったり、塩と酢で〆てから炙ったり。隠し味にニンニクを使う煮物もあれば、牡蠣を煮た時の出汁を更に調味して煮るものもある。柚子を振る物と振らない物も峻別している。煮切りも種類があって使い分けて。みんな同じなのは「味がついている」と言う1点だけ。素材と調理のバリエーションをまったく感じとることができずに「みんな同じ味」と片付ける鈍感な神経の持ち主でも、ネットの世界ではケロケロとレビュー書いたりできるのだから、考えてみれば恐ろしい話である。 握りもいつも通りのおまかせで。マグロヅケ、ヒラメ胡麻醤油ヅケ、シマアジ炙り、甘酢をくぐらせた海老、コハダなど実に結構。酢飯は固めだが、種とよく合う。種札にも秋の気配。もう少しすると牡蠣やサバ、サヨリが登場するのだという。結構飲んだのでそのままタクシーで帰宅。 |