月曜の夜は「しみづ」。藤田さんからメール頂いて、先週末には来たかったのだが、寿司屋巡回年末進行の都合で月曜に。本来ならこの店の定休日だが、年末30日までは休み無しの営業。 仕事帰りに訪問。扉を開けると満員の盛況。一番端の席につくと、親方がちょっと離れた席で勘定を済ませて帰りかけの女性を紹介してくれる。面識は無いので不思議に思ったら、私とメール交換したことがあり、アメリカからはるばるこの店に来たとのこと。「うちの店も国際的になりました(笑)」と親方。そういえば、うちのページ読んで、イタリアから来たドクターも以前おられたな。 件の女性が帰った後で親方が、「いや、しかし、美人でしたね今の人」と感心。確かに凄い美人であったが、なにしろ寿司屋問い合わせのメールはあちこちから届くし、妙なメールでない限りはなるべく回答しているので、苗字だけ伺っても即座にどなただったか記憶が蘇らないのであった。ロクに挨拶もしないで別れてしまってもったいなかったな。はは。もっともアメリカ人のご主人と一緒に来日された由。 日本酒はいつものとおり常温。まず切ってきたのは、タイとヒラメ。どちらも上質。旨みが強い。漬け込みのシャコは柔らかく美味い。タコは実に立派なもの。そう、これも確かに甲殻類の味と香りがする。サバはしっかり〆てあるのだが、実に脂が乗り旨みがズシンとくる。牡蠣の煮びたしは軽い火の通し。海がフレッシュに香る。 タラ白子ホイル焼きもいつも通り実に濃厚な美味さ。親方が「新製品です」と出してきた切り身は、シマアジかと思ったらブリ。12キロだそうだが、小さなサクにして表面をワラで炙り、軽くヅケにしてあるようだ。まるでトロのように脂が乗ったブリを軽く炙る工夫が効いている。親方によると、「與兵衛」の中トロ炙りヅケを参考にしたとのこと。そういえば、昨日與兵衛で食べたよと笑い話。ハマグリは、やや漬け込みが浅かったが、これはこれで美味い。イカ塩辛でお酒をフィニッシュ。 マグロはまず本日入れたものを脂の具合を変えて2貫。これも柔らかく旨みがあって素晴らしい。続けて、「これが例のマグロです」と脂の具合を変えて2貫。極端な大トロではないが、全体にジンワリと脂が乗った部分。これが、実に柔らかく、シットリ旨みを残しつつ、マグロの香りを残して酢飯と共に口中で溶ける。店によっては美味いマグロでもどこかに「ツルツル」感が残ってるものがあるが、このマグロには微塵もない。しかもクドイ脂の美味さではなく、あくまでも身の美味さが脂に溶けこんで一体になった美味さなのであった。いや、これは凄かった。しかし、こういうマグロばかり食べていると他のマグロが食えなくなる。美味い中でも飛びぬけて美味いものは、ほんの時々口に入るくらいでよいのかもしれないな。そんな妙な感慨まで覚えるほど圧倒的であった。 隣の2人組は接待のようだが、話に熱中して、シャコでもハマグリでもドップリ醤油につけて食べる。まあ、あくまでも好き好きではあるのだが、それだったら回転寿司に行っても同じなんだけどな。 コハダ、アナゴはいつのも至福。そしてカンピョウ巻。巡回してる中では、この店のカンピョウ巻が一番好きだ。まるで海に差した春の陽光をそのまま吸いこむような、この香ばしい海苔の香り。これは他の店の追随を許さない。年内に再訪することを約して店を出る。烏森神社にお参りしてからタクシー帰宅。 |