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2004/06/26 中野坂上「さわ田」 


昨日の夜は久々の「さわ田」。ちょうど定刻に到着するも、先客2名が店の前で待っている。まだ開店してないとのこと。珍しいなあ。もう1組も到着したところで「お待たせしまして申し訳ありません」と扉が開く。

いつもは常温だが本日は冷酒を。常温は「麒麟山」だが冷酒は「磯自慢」。片口で供される。お通しは枝豆。いつも通り、ツマミも握りもおまかせの「さわ田劇場」の幕開け。

マコカレイは上質で熟成具合もよし。縁側も美味い。タイは立派な身。脂の乗った腹の部分は上品な脂と旨み。皮目に細かく包丁を入れたアオリイカは肉厚。ネットリと上品な甘味。トリ貝は相変わらずびっくりするくらいの鮮度。甘味と爽やかな香りが素晴らしい。ミル貝は炭火で軽く炙ると甘味が増す。利尻産の海水入りエゾバフンウニ。出汁が出るのかただの海水が妙に美味いのが不思議。唐津の赤ウニは、いつも通り箱ごと供される。食べ比べるのがおもしろい。

アジは実にネットリした脂と深い旨みあり。大原産アワビ塩蒸しは大きな固まりで。やや塩気が強いが芳醇な香りがあり、柔らかな仕上がりが素晴らしい。漬け込みのシャコはあまり見かけない立派な大きさ。青森とのこと。カツオの替わりに本日はメジマグロの藁スモーク。あっさりしてこれはこれで美味い。炭火で炙るバチコは小豆島産。これまた酒が進む。固まりを炭火で焼いてから切り分ける大トロ炙りはいつもながら実に美味い。

銅の釜で沸かしたお湯でお茶入れてもらい握りに移行。余談ではあるが、最近寿司屋で焼酎ロック飲む人が多い。芋のロックというのは、グラスに入ってる分には気にならないが、飲んでる人のふりまく吐息が妙に生臭い気がする。一度胃に入ると匂いが変わるのか。

酢飯はしっかりした味付けだが、ツヤツヤとよい具合に仕上がって、旨みと脂の濃いこの店の種によく合う。スミイカ、シマアジ。マグロは、赤身、中トロ、大トロと3連発で。熟成した身を室温に戻してから握るのが美味い。スモークしたカツオ。カツオ独特の濃い旨みが酢飯と実によくからむ。コハダはおぼろをかませて。カスゴは上品な甘味を持つ身がホロホロと口中で崩れる。

小柱は軍艦で。エビは茹で上げて数分置いてから供する。尾の部分に挟んでいた濃厚なエビの自作ペーストは、エビの頭が大量に入らないため切れてしまったとかで残念。カマスは〆たものを棒寿司にして表面を炙る。海苔とよく合う。赤貝もシーズン終りだが立派なもの。アナゴのツメはサッパリと美味い。エビと山芋入りの玉子で〆。握り終盤は、寿司種の産地やら、店の造作の話やら、氷蔵庫の話やら、お客さん全員で話がはずむ。いつもに増して種数も多く、満腹状態。結局、3時間近い滞在。この店のお釣りは、必ずいつも手の切れそうなピン札である。それがどうしたと何も感じない人はいるだろうが、何から何まで一人でよくここまでやるもんだと実に感心する。満ち足りた気分でのんびり帰宅。