暑過ぎると涼しいところに寄って帰りたくなる。昨日の夜は築地の「つかさ」。お通しはシャコツメ。 冷酒飲みつつツマミ。松前の中トロは、適度な脂も乗りシットリした旨み。実に美味い。シマアジは分厚く脂の乗った3キロの天然物。ここまで大きくなるとやや脂がくどいか。サバは東京湾。時期外れではあるが脂はよく乗っている。三陸のトコブシは生で。イワシのつみれは実に美味い。冷製にすると夏場のツマミの白眉となるかも。車エビも東京湾。大原のアワビは塩蒸しで。香りよく旨みも十分な柔らかい身。アナゴはキュウリを添えて。 このへんで握りに移行。マグロはスッキリした酢飯によく合う爽やかな旨み。新イカ(シイイカ:スミイカの新子)は1貫に2匹つけ。まだペラペラだが前回よりやや歯応えあり。柔らかいながら、かすかにスミイカらしいパキパキ感が出てきた。これがよいのだよなあ。一潮ごとに大きくなってくる。1匹で2貫取れるくらいになるとこれがまた美味いのだ。コハダの新子は3枚づけ。だんだんと爽やかな肉の旨みが幽かに感じられるように。酢〆のアジも結構。マグロ脳天のスモークは独特の香りと酢飯の相性よし。 ウニは「はだて」のムラサキウニと、礼文だという小粒の赤ウニ。ちょうどウニの季節。赤ウニの甘味と濃い旨みが実に美味い。アナゴもまだトロトロで素晴らしい。小柱も海苔に合う爽やかな香りとシャッキリした歯ざわり。最後の中トロ鉄火巻もいつもながら素晴らしい出来。いつもよいが昨日はどれも特に素晴らしかった。 中島らも死去。「ぼくに踏まれた街とぼくが踏まれた街」は舞台の神戸が懐かしかったし、「今夜すべてのバーで」は同じ酒飲みとしての心根の不安と楽観をどちらも刺激する本だった。泥酔して階段から転落し、脳挫傷による脳血腫で死去。いかにも本人らしい亡くなり方と言えばその通りか。やはり酒は止められなかったのだよなあ。合掌。 |