夜は西大島「與兵衛」巡回。ちょっと間が空いてしまった。入店するとまだ客は私だけ。種札を見ながら親方と雑談。新イカを使い出したのは2日前から。コハダの新子はまだ。ここの仕事にはまだ身が薄く硬過ぎるのだとか。愛知産を使うのがお盆休み明けからの予定。現時点でも光り物は、キス、アジ、イワシ、サンマと4種類ある。コハダがラインアップに加わると、一人で仕込みするからどれか1種を外さなくてはならない。どれを外すか思案中と親方。確かにどれも捨てがたい。 最初の酒は佐賀の大吟醸「東一(あずまいち)」。旨みはあるが飲み口は軽く爽やか。新イカゲソに、スルメのワタとエビの頭で取ったソースをかけたのをお通しで。最初の皿は、煮ホタテ、シャコ、アワビ、アワビ肝、エビ頭、アナゴ肝、昆布など。いつもながら美味い。十四代、開運とお酒を替えつつツマミ第二の皿。中トロヅケの炙り。スズキ甘酢ヅケ。酢〆のイワシの炙り、シマアジのヅケ。どれも絶品。 適当なところでお茶に切り替えて握りを。赤身ヅケ、スズキ甘酢、シマアジ。固めの酢飯によく合って実に美味い。新イカは儚いパキパキ感。エビ、甘酢にくぐらせた北寄貝。キス、アジ、サンマ、イワシ。光り物はどれもネットリした旨みを引き出す〆具合が素晴らしい。ハマグリはツメとの相性よし。アナゴは実にふくよかに旨みを残して煮上がっている。最後は、しっとりした玉子で〆。他の店では決して味わえない必殺技をこの店はたくさん持っている。 |