会社を出てから電話すると「しみづ」カウンタが空いていた。入店するとカウンタの先客は一組だけ。珍しいな。 お酒は常温で。最近は常温と言っても冷やしているような温度になってきた。お通しは菜の花。ツマミはまずヒラメ。あっさりした脂に淡い滋味が美味い。タコは香りよし。スミイカは塩で。平貝炙り。珍しくアジを。時期的にはまだまだと思ったが、これがネットリした脂が乗って実に美味い。しかしサバはそろそろ種札から姿を消すとか。サヨリも真っ白になるほど脂が乗っている。ヤリイカ煮付けはツメをつけて。赤貝とヒモは清冽な潮の香り。ハマグリのあとはミル貝炙りに七味を添えて。 握りはまずマグロから。中トロ部分。シットリとして旨みもある。コハダも実に結構。アナゴもいつも通り美味い。新しい海苔が入ったのでと、カンピョウ巻は前の海苔と新しいのと半分ずつ巻いてもらった。確かに新しいほうが香り高い。 「横浜にご用がありましたら寄ってあげてください」と、親方から「鮨 はま田」の名刺をもらう。「次郎よこはま店」が「鮨 水谷」となり、本年1月に銀座進出した後の店舗をそのまま居抜きで借り、銀座「青木」で10年修行した若い職人が独立したのだと。「青木」は一度も行ったことがないのだが、本人には1年ほど前の某所で一度会っているはずだとダイスケ君が言う。しかしあの時は酩酊していたから記憶がなあ。一度訪問してみるか。そういえば、中野坂上にあった「さわ田」も、ここで名刺もらって紹介されて予約の電話を入れたのだった。その店も今は銀座。時の過ぎ去るのはあっという間だ。 |