先日の17日、日曜夜は、1ヶ月ぶりに上野毛「あら輝」訪問。、 電車の時刻を間違えて、5分ばかり定刻に遅れてしまった。駅からその旨の電話は入れておいたのだが、すでに先客は揃っておりアワビが出される直前。というわけでいつもの順番が逆になって、まずは京都のアワビから。お酒は静岡「志太泉」。そして淡路島岩屋のタイ。皮目を軽く湯引きして。いつもながらここの白身の質には感心する。カツオはゴマとアサツキを散らして。脂は薄いが旨みがある。ウニも上質。ただ、タコは冷蔵庫に入ってたからか、あんまり香りがしない。イカゲソは塩で軽く炙って。タイの卵は薄い出汁で煮る。実に淡白であっさり上品な美味さ。玉子焼きにはホシカレイとタイが入っていると。 この辺で握りに移行。まずホシカレイ。マグロは赤身から中トロ、砂ずりの大トロへと5貫連続で。千葉、鴨川で上がったとのことであった。この時期は色んな場所からマグロが築地にやってくる。酢飯の具合はマグロとよく合って旨みが増すかのよう。アオリイカは表面に細かい包丁が入る。茹でたての車海老は色鮮やか。頭の部分のミソを切って尻尾側に入れて握るのがここの流儀。最近、どこの店でも車海老は直前に茹でたものを握るから、旨みにはさほと差がないような気もするが、たまに「さわ田」の海老味噌を煮詰めた真っ赤なペーストが妙に懐かしくなることがある。あれはなかなか美味かった。小さな海老が安い時に大量に買って仕込んだと聞いたが、最近でもやってるのだろうか。普通にオボロを挟んでも美味いけどねえ。 この時期サバがあるのは珍しい。しかし身は柔らかく味が濃い。鹿児島だというアジは素晴らしく脂が乗り、シットリと旨みにあふれる。今年はどこで食べてもアジが美味い。赤貝はヒモも重ねて。マグロヅケは煮切りの風味がかなり強いがこれまた美味し。アサリは漬け込み。手渡しで。アナゴもふっくらあがっている。最後はカンピョウ巻で〆。 若いお弟子さんが入って、お茶の差し替えや飲み物などタイミングがよくなった。昔からいた中国人留学生の女性が白衣を着て中に入り、ツケ台をまめにふいたりウニを盛り分けたり、手伝いになかなか健闘している。以前、予約の電話まで受けてもらったことがある。普通、外国に留学した日本人で、日本料理屋ではなくむこうのキチンとしたレストランでネイティブだけを相手にちゃんと働いてる例があるだろうか。なかなか偉いもんである。個人の顔が見えない大陸の反日デモには薄気味の悪さを感じるだけだが、日本に来て真面目に頑張ってる中国人もたくさんいることは、この店に限らずあちこちで体験することである。 |