日曜夜は西大島「與兵衛」訪問。引き戸を開けると「いらっしゃいませ」と聞き慣れない声。2週間前から新しいお弟子さんが入ったのだそうだ。割と年齢はいってるようだが、ある程度経験あったほうがこっちも楽だからとは親方談。 種札からはイワシ、コハダが姿を消し、アジ、トリ貝が新たに登場。光物については仲卸が勧めるものしか使わないとのことで時折変動が。シャコもやっぱり立派なのがあったり無かったりだねと親方。 最初のお酒は島根の大吟醸「出雲富士」。上品で爽やかな酸味と旨みを感じる酒。ツマミ第一の皿は、イカ耳のヅケ、海老頭、煮イカ、アナゴ肝、ホタテ煮びたし、中トロヅケの炙りなど。どれもいつも美味いが、どういう訳かイカ耳のヅケが特段美味かった。マグロ血合いのコーヒー煮。コーヒーの香りが残りながらマグロの風味が引き立ち、酒に合うというのが素晴らしい。お酒を「十四代 本丸」、「開運」と切り替えてツマミをもう少し。ミル貝ヒモ、甘酢に潜らせたトリ貝、カレイ縁側の甘酢ヅケなど。ここでトリ貝を食するのはあんまり記憶にないが甘みのある肉厚の身。銚子だったか。カレイ縁側も酒が進む。 このへんで握りに。余談だが、ここのショウガは極端に酸っぱいこともなく実に美味い。赤身ヅケ、イカ、カレイ甘酢ヅケ、シマアジ、海老、ミル貝。どれも結構。酢飯はいつもより気持ち暖かい気がしたが、相変わらず種との相性がよい。キスは軽い〆で口中でホロリと身が崩れる。ニシンはしっかり〆た後、皮目をバーナーで炙って。アジもシッカリ塩と酢を利かせてネットリとなった脂が口中で酢飯と混ざって溶ける。ハマグリ、アナゴはいつもながら風味あるツメが絶妙。最後はシットリと旨みある玉子。どれも素晴らしかった。最近、平日も週末も予約が立て込んでいるとのこと。遠方から遥々来訪するお客さんが多いのも分かる気がする名店である。 |