夜は、久々に西大島「與兵衛」。最近、混雑しておりなかなか予約が取れない。2〜3年前なら電話すればその週末に入店可能だったのだが、現在では2週間から半月先でないと予約が入らないのでは。まあ、この程度なら我慢の範囲だが、1ヶ月以上待つということになると困るんだな。昔は1回転半くらいしてたのだが、最近は8名のお客に絞っているのも混雑の原因か。まあ、自分の満足できる仕事ができるペースでのんびりやりますよと親方。 岡山の大吟醸「歓びの泉」。かすかにフルーティーな香りがあるが、さらりとした飲み口。後から旨みが染み出てくるようなよい酒。種札には珍しく「カツオ」が。ここで見かけるのは初めてかもしれない。光り物は、キス、アユ、アジ、イワシと、初夏を感じる強力なラインアップ。 お隣の席になったのは、ここでも「つかさ」でも何度かお会いしたI氏お二人連れ。このページも前から読まれてるのだが、「この前、友里なんとかがページに書いてましたねえ」と笑うのでしばし雑談。それを聞いた親方と奥さんから、意外な「友里」情報がいきなり飛び出してきてちょっとびっくり。I氏と共に酒の肴にして盛り上がる。寿司カウンタ「サラシ」の商売というのは職人も「晒す」が、客も実は「晒される」訳であって、そこがなかなか面白い。 まずいつものツマミ皿。海老頭、シャコ、アワビ塩蒸し、アワビ肝、アナゴ肝、アワビと煮た昆布佃煮風、イカゲソのヅケ、ホタテ煮びたし。本日は種数多く、満艦飾で実に豪華。どれも実に結構。お酒は「十四代」「開運」と変えて。大蒜を隠し味にしたアラ煮つけ、酢〆のアジ炙り、カレイ縁側の甘酢ヅケ、酢〆のイワシ薄作り風、イカゲソの肝炒めなどツマミもさらに堪能。I氏は、炸裂する親方の駄洒落にもノリがよく、いつもながら賑やかな酒。 このへんでお茶に切り替えて握りを。赤身ヅケ、カレイ甘酢ヅケ、カレイゴマ醤油ヅケ、皮目を炙ったシマアジ。どれもいつも同様美味い。カツオは最近になって使ったとのこと。ごく軽いヅケにして握る。爽やかな軽い脂。甘酢にくぐらせた海老は酢飯とよく合う。甘酢にくぐらせた北寄貝。キスはオボロをかませる。アユは軽い酢〆の後で皮目を炙ったもの。ホロリと口中で崩れる初夏の味。肉厚で立派なアジはトロリと脂が乗った身を酢と塩でシッカリと〆る。イワシは脂も旨みもさらに濃厚。固めに炊き上げた酢飯は、ツヤツヤした感触で口中でほぐれる。光り物との相性も最高。ハマグリ、アナゴと。風味のある濃厚なツメが実に美味い。アナゴだけでなく煮イカの煮汁なども入れて継ぎ足すと親方。最後はいつもの小柱入り玉子焼。これもシットリ旨みにあふれて素晴らしい。 |