水曜夕方は、台風直後の余波で空いてるのではと「しみづ」に電話。たまたま1席空いていたのでカウンタに。しかし、他に空席無しという盛況だから、そもそも台風の影響も大してないような。 カンピョウを釜で炊いていたので、親方とカンピョウ仕込の話など。味をつける前のカンピョウがあんなに真っ白だとは知らなかった。考えてみるとカンピョウってのも、寿司くらいでしか食する機会がない特殊な食品だな。「何が美味いってほどの物でもないんですが、無いとやっぱり寂しいんですよねえ」とは親方のカンピョウ談。 昔は「海苔巻」というと「カンピョウ巻」のことを指した。だから「海苔巻」と頼むのが「通」だ、とウルサイことを言う原理主義者がいる。しかし、実際に試してみると分かるが、昨今は巻物にもあれこれ種類があるため、得意になって「海苔巻!」と注文しても、「カンピョウですか?」と聞き返されることが多い。だったら最初から「カンピョウ巻」と注文したほうがお互い効率的だと愚考する次第である。ま、寿司屋の親父のほうでも旧世代にはウルサイこと言う奴がいるけどねえ。 時折お会いするI氏が隣に来られたので、あれこれ雑談など。 ヒラメ。スミイカゲソは軽く茹でる。タコは桜煮。シャコは卵入りだが柔らかく漬け込みしてあって美味い。塩蒸しのアワビは今シーズン一番だと親方談。大原の横で上がったと。身は柔らかくネットリとゼラチン質に満ち、芳醇な旨みが実に濃い。カツオはカラシ醤油で。赤貝ヒモも素晴らしい香り。この店では、買って来てから供するまでに一工夫あると聞いたのは、昔の中野坂上だったか。サバは焼霜にして。白ウニとイクラを小鉢でもらってお酒終了。 お茶で握り。まずマグロ赤身。砕けるような食感だが、シットリとした旨みがある。中トロ、大トロと本日はマグロ3貫。どれも素晴らしい。コハダ、アナゴ、カンピョウ巻ともらって終了。台風直後とはいえ、あまり影響は感じない。あえて言うならタコが桜煮だったことくらいか。これにしてもいちいち確認してないからどうか分からないが。ま、シロウトが余計な心配する必要はなく、きちんとした店はきちんと手当てしてるということだな。もちろんプロの苦労はあるにしても。 |