いや、しかし寒い。先週から通勤はコート着用なのだが、今朝はマフラーまで出してしまった。 本日は、神奈川で夕刻まで仕事。昼前に思いついて「はま田」に電話。空いてるというので夕刻に訪問。前回来たのは8月だったか。そう、まだ白身はカレイだった。相変わらず浜田親方は、快活で気配りあり、仕事熱心に頑張っている。「熱燗ですか」と奥さんに聞かれて一瞬心が動いたが、もともと燗酒は飲まないほうなので、加茂鶴の冷酒を。ま、しかし、さすがに冷蔵庫で冷やしたお酒飲むには寒い。ぬる燗くらいがちょうどよかったか。しかし後悔先に立たず。はは。 カウンタを照らす明りが蛍光灯から白熱灯に変わった。そういえば前回訪問時に、お盆休みに変えると聞いた記憶が。確かにこのほうが温かみがあって寿司種の色も映える。カウンタの高さが低くなった気がしたが、「いや、ここは変えてません(笑)」とのこと。なんで錯覚したのだろうか。昨今の景気など浜田親方に聞きながら。商売も堅調のようで結構なことである。「『つかさ』さんはお元気ですか」と聞かれて、そういえば先週は行けなかったなと思い出したり。 まずツマミを。ヒラメは歯ごたえも適度にあって上質な脂。どんどんよくなってきたと。サバはしっかり〆てあるがこれが美味い。赤貝はヒモと身と。香りがよい。2本目の冷酒がまだ残ってたので、もう1品、平貝をツマミで。ツマミを追加すると、白木の種箱に並んだ素材を見て、握りの組み立てと考え合わせながら勧めているのがよく分かる。この店では、あまり酒飲むより、適当なところで握ってもらうのがよい気がする。 お茶をもらって握りをおまかせで。ヒラメ昆布〆は昆布の当て方はごく軽いものの実に滋味あふれる美味さ。スミイカは肉厚で甘みが濃く、煮切りが映える。マグロは、赤身、中トロ、大トロと脂の具合を変えて。確かにフジタ水産と分かるシットリと旨みのあるマグロ。酢飯はややおとなしくなったような感あるものの、塩も酢も適度に利いてスッキリと種によく合う。以前よりやや柔らかくなったか。コハダの〆は、塩も酢もしっかりと効いており美味い。サヨリも上質。イクラはもうそろそろ終りとのことだがよい物あれば入れると。確かにまだ大丈夫。ウニも同じく軍艦で。白ウニだがアッサリ上品に口中で溶ける。海苔の香りも実によい。 海老は茹で立てとはちょっと違う落ち着いた甘み。人肌のものとはまた別種の美味さがあり、酢飯にはこのほうが合うのかも。ミル貝も香りよし。ハマグリは、河岸の「ハマグリ婆さん」に可愛がられるようになってよいものくれるとか。大ぶりでフックラした立派なもの。アナゴは炙らないがシットリ旨みあり。ツメは甘みが勝り、ややコクに欠ける気もしたが、これは好みの範疇。玉子はフックラと洋菓子のように焼き上がっている。一生懸命よいものを選別して入れて、仕事も手抜きせずやってるのがよく分かる美味い握りを堪能。年内は29日まで。新年は6日から営業とか。 勘定を済ませて外に出ると、見送りの奥さんが「もう、「よいお年を」のご挨拶ですね」と笑う。そうだなあ、この場所は遠いし、もう今年は来れないか。頑張ってくださいとご挨拶して、関内駅までブラブラと。 |