結末見届けてすぐタクシーで「しみづ」へ。日曜日の訪問は久しぶり。この2月で一番弟子のダイスケ君が独立のために店を辞める。最後の週末(というか店に出る最後の日だったようだが)に激励しようと、いつも土曜にお会いするAご夫妻、「最多来店記録」氏と4名一緒に予約して訪問したのであった。 店に入ると、清水親方の定位置にはダイスケ君が立つ。清水親方はといえば、外で客のコート預かったりお酒を出したりしながら脇役に徹して、「いや〜、こっちから見るとうちの店は狭いなあ」などと笑っている訳で。何度かお会いしたことのあるダイスケ君の奥さんもカウンタの中にいて、まるで「鮨まつもと」開店前リハーサルのよう。 お酒も、「鮨まつもと」で置く予定の日本酒を2種類準備。ひとつは「まつもと」という店名と同じ銘柄の酒。もう一種は伏見の難しい名前の酒だが、菊姫を思わせる日本酒らしい良いヒネ味あるもの。 しかし、お弟子さんが独立するにあたって、自分の店を自由に使わせ、こんな機会あたえる親方も珍しいのでは。昔風の狭量な職人の枠に留まらない、清水氏の人間としての器の大きさにはいつもながら感心する。「鮨を極める」という本には、「水谷」が「すきやばし」の雇われ職人から独立した頃のエピソードがちょっと書いてあったが、時代や店や仕える親方によって色々違うもんだと、そんなことを思ったり。 あれこれ語り、松本(新)親方を「激励」(笑)しながらお酒が進む。白身はタイ。タコ、平貝炙り、トリ貝、サバ、イカとコノワタなどツマミでもらって。調子よく歓談しながら飲んでたら、何食べたかイマイチ記憶がはっきりしない。はは。握りも松本親方がそのまま担当。握りの形や切り付けは、やはり清水氏とは違う個性を感じるが、種や仕事はいつもの「しみづ」。なにやら不思議な気分。独立して一人でやりだしたら最初は大変だろうが、是非とも頑張ってもらいたい。新規開店の日に駆けつけられたらよいのだが、ちょっと事情が許さないのが残念。 すでに顔なじみには名刺を配り終えてるはずで、私ごときがおせっかいする必要もないのだが、これから開店の店に、宣伝はいくらあっても困ることはないだろう。「しみづ」で修行したお弟子さんが京都、祇園に、4月初旬から新しい店を開くのだ。住所、連絡先は下記の通り。彼はきっと期待を裏切らない。私はそう思っている。お近くの人は是非どうぞ。 「鮨まつもと」 京都東山区祇園町南側570-123 Phone(075)531-2031 |