MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2005/12/08 「新ばし 笹田」

月曜の夜は、「新ばし 笹田」。喉の調子はイマイチであるが、土曜日に予約を入れてあったのだ。

「最多来訪記録」氏とカウンタで同席。金曜夜に「しみづ」で顔を合わせた時、「笹田」での再会を約していたのであった。今年度の自己記録更新達成見込み最新状況など伺ったり、あれこれ雑談しながら吉野川吟醸をまず一杯。

しばしカウンタは我々のみ。先週土曜の夜には、「しみづ」の親方夫妻もこの店に来訪したとか、お弟子さんのダイスケ君も来たとか、ご主人からも店の近況あれこれ聞きながら。

開店当初の夏場には、奥さんと2人、今年の年末越せるかどうか心配したこともあったが、なんとか越せそうな気がしてきましたとご主人。結構な話ではないか。

まず、タラ白子の茶碗蒸し。この季節、最初に暖かい1品が出るとほっとする。上品な出汁に濃厚な白子のコントラスト。「雲子」とも称するようだ。生湯葉。セイコ(あるいは香箱)ガニ。綺麗に掃除して、身を外し、本体殻の中に外子、そして足の身、内子と殻の中の身を綺麗に収めて。ほんのりかけられた酢がまた味を引き立てる。内子美味し。イカ塩辛。

お酒を天狗舞に切替。お造りは、マカジキ、平目身と縁側、甘エビ。マカジキは、昔は寿司種にも使ったそうだが、最近あまり見かけない。身肉にはマグロとは違う独特の甘みがある。平目も上質な脂。

お椀は、アンキモの吸い物。白身のすり身と合わせてから蒸したアンキモはテリーヌのよう。焼き物はアナゴの八幡巻。アナゴで牛蒡を巻いた付け焼き。一度炊いてあるという牛蒡からは、幽かに野趣の残る品のよい香りが、切っている時から漂ってくる。

煮物は、トリ肉団子と聖護院かぶら。軽い鳥のスープが大根の甘みを引き立てる。肉団子は叩き潰した軟骨の歯ざわりが結構。バチコとカラスミ。生のナマコにコノワタと、最後は珍味尽くしの酒肴でお酒を終わる。

〆はいつも通り、豆腐の赤だしに炊き立ての御飯。ツヤツヤした米粒が立っている炊き上がり。新米のふくよかな香りがよい。2杯目のおこげも香ばしく美味い。煎茶を頂きつつ、デザートに柿。

来週月曜発売の週刊誌巻末の飲食店紹介ページに、この店の「京野菜おでん」が出るらしい。開店当初から来ている常連の紹介とのこと。海老芋、京にんじん、鳥皮、大根など、上品な関西風の出汁でこっくりと煮込んであって、これが美味いのである。集客効果あるとよいが、当日電話して入れなくなってしまっても困るなあ、などと考えながら。ゆったりとした満足感と共に店を出る。