MADE IN JAPAN! 過去ログ

MIJ Archivesへ戻る。
MADE IN JAPAN MAINに戻る

2006/02/08 「笹田」 

昨日の夜は「新ばし 笹田」。先週電話すると火曜、水曜が満席。今週は昨日が満席。「しみづ」の親方も来訪したとのこと。まだ波があるものの、当日の電話では入れない日も多くなってきたような。

暖かくなるとの天気予報だったが、ぜんぜん暖かくない。まず生ビールを一杯。最初は粕汁。フレッシュな旨みを感じる酒粕。子供の頃も食べたものの、大人になってからのほうが滋味深く感じる。そういえば、うちの祖母も酒粕を炙って砂糖醤油で食べるのが好きだったが、一度食べ過ぎて引っくり返ったことがあった。かす汁を見るといつも懐かしく思い出す。

お酒はまず九平次純米。ナマコ酢にコノワタを添えて。ナマコは番茶で湯ぶりするように表面だけ熱を通すのだとか。コノワタは瀬戸内のものと。お酒によく合う。笹田氏は、お酒は飲めないが珍味は大好きだと。奥さんは逆に生もの、珍味など、いわゆる高価なものはあんまり好きではないそうで、まかないが助かりますとのことであった。はは。タイ昆布〆とセリ。白子は軽く塩して炙る。香ばしく口中で溶けてゆく。生牡蠣はネットリと海の滋味が凝縮された旨み。

他所でもよくお会いするI氏が来訪されたので、映画の話、イギリスの話、小津安二郎の事など、あれこれと雑談。お酒は天狗舞に切り替え。

お造りは、上質な脂のヒラメ(縁側もよい)、ネットリ甘みのあるアオリイカ、爽やかなミル貝、ウニ。どれも上質。寿司屋の切り身のような力強さより、まとまりのある上品さを感じる。お椀はアマダイ。軽い苦味のある蕗の薹がアクセント。深い出汁に旨みが溶け出て、身がホロリと崩れてゆく。焼き物はマス。煮物は大ぶりのカブに鴨の治部煮風を取り合わせる。上品な出汁で炊かれたカブはとろけるような口ざわり。濃厚な鴨の旨みが更に引き立つ。食事は炊飯土鍋で炊き立ての御飯。2杯目は香ばしいお焦げ入りで。最後は白玉と小豆の冷製ぜんざいで〆。苦味のある煎茶が後口を爽やかに。のんびりと美味いものを堪能した夜。